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「って実話ァァ!??誰だよ矢助って!!ってゆーか、Aちゃんはさっきからちゃんと自分で食べようと努力してましたよ!いい加減食べさせてあげてもいいじゃないですか。」
僕の言葉に銀さんは“しょうがねェーな”とかなんとかブツブツ言いながら、Aちゃんを膝の上に乗せる。僕と神楽ちゃんは、ご飯を食べながらそんな二人の様子を見ていた。
「ほら、A。あーんしろ、あーん。」
『…アー』
銀さんは卵かけご飯をAちゃんに食べさせる。彼女は素直に口をあけてやっとありつけたご飯を満足そうに食べていた。ニコニコとご機嫌な笑顔が可愛らしい。
「あ、コラ。ちゃんと口開けろって!端から零れてるじゃねぇか。」
銀さんは食べおわったAちゃんの汚れてしまった口をティッシュでごしごしと拭いてやっている。
『…ヤーー』
銀さんの力が強すぎるのか、Aちゃんは目をギュッと瞑ってイヤイヤと首を振り続けていた。
「なぁーにが、“やー”だ!そのままだとベタベタになるっツーの。」
銀さんの言葉にAちゃんは頬を膨らませ、銀さんを拒絶するかのように目を細め“イー”とする。
(…あれ?)
今のAちゃんの顔はどこか銀さんと似ていたような気がする。というか、僕には二人の顔がかぶって見えた。一度メガネをはずして、目をごしごししたあと、再び彼女を見る。やっぱり、いつもどおりの可愛らしいAちゃんがいた。
(見間違え…かな?)
「オイ、なんだその“イー”は!?“嫌よ嫌よも好きのうち”の“イー”なのかコノヤロー!」
「いやいや、違うヨ。銀ちゃんがあまりにも乱暴に扱ったからAが嫌になったネ。その“イー”は“娘に嫌われてもいいじゃねェか、伊藤矢助五十五才!オマエは一生懸命頑張ったマダオEXの“イー”アル!」
「もはやAちゃん関係ねェェ!ってか、何気神楽ちゃんもその矢助さん知ってるし。いったい誰なんです?矢助さんって…僕がいない時に来た依頼の方ですか?」
「「いや、夢で見た。」」
「オィィィ!!何そのシンクロされた夢!夢も希望も何もない夢だな、オイ!」
僕は二人の態度に思いっきり突っ込んでしまった。
《こんにちわ》
突然玄関から聞こえた声。僕たちは、身を起こして扉の方を見た。
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