はじまりはこんなもの ページ4
いつも通りの万事屋。銀さんはソファーに横になりながらジャンプを呼んでるし…僕は神楽ちゃんが帰ってくるまで居間の掃除をしていた。時計を見ると四時半をすぎている。そろそろ…かな?
「ただいまアルー!」
ガラガラと玄関が音をたてると同時に神楽ちゃんの元気な声が響く。僕は掃除をしていた手を止めて玄関へとむかった。
「おかえり、神楽ちゃん!卵は……」
「卵は…忘れたけど、この子は拾ってきたネ!」
そう…神楽ちゃんが言った通りそこにはまだ歩き始めてまもないくらいの小さな女の子が神楽ちゃんと手をつないで立っていた。
「って、オィィイイ!!なんで人間お持ち帰りしてんのォォォ!!!」
いや、確かにその子が綺麗な着物を着ていて、肩まである茶色がかった髪やつぶらな瞳が…って僕は何言ってんだァァァァ!!ロリコンかぁぁ!!
「…おい!てめェら、玄関先でうっせーぞ!ギャーギャーギャーギャー喚く借金とりかコノヤロー。銀さんはなァー家賃は滞納しているが、金融に手をだしたことは…いや待て、あるな…お妙に脅されてだっけ?あのぼったくりスナック…いやいや、でもあれはちゃんと返したはずだし…」
ダルそうに頭をかきながら銀さんが奥から顔を出したと思ったら、何やらいきなりブツブツと言い始めている。
「銀さん、ちょっとこれ見てくださいよ。神楽ちゃんが卵の代わりに…」
銀さんは、神楽ちゃんの持つレジ袋を覗き込んだ。
「おいおい、神楽ちゃんよォ…今日が特売日だっつーのにその卵なくて、どうやってニラ&卵汁つくるってんだ?これじゃあ、ニラが単品汁になるじゃねェーか!」
銀さんが口元をヒクつかせながら神楽ちゃんの両頬を片手でつかむ。そのせいで神楽ちゃんの唇が飛びでてタコのような顔になっていた。
「何言ってるアルか…それでも一夜生きのびるには十分ネ。それよりごっさ可愛い子見つけたアル!!」
「アー…可愛い子?」
「そうですよ、銀さんこの子です。」
僕がそう言うと、ようやく銀さんは神楽ちゃんの隣にいる女の子に視線を下ろした。
「ちゃんと手紙もあったアル。貴方の子です。大切に育ててね。って。」
「そんな、犬猫じゃないんだから....」
達筆な文字で書かれた手紙を銀さんにも見せる。次の瞬間に、僕は銀さんが一瞬ハッと目を見開いたのを見たような気がしたんだけれど、それは神楽ちゃんも同じだった。
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