▼ ページ41
―――――――…
「い、委員長ォォ−−−グハっ！」
草壁が大声で叫んだ瞬間、顔面に雲雀が投げたトンファーが勢いよくぶつかる。不機嫌が丸出しの雲雀は、草壁を睨みつけていた。
「煩いよ草壁。僕の仕事を邪魔するとはいい度胸だね。そんなに咬み殺されたいのかい？」
「し、しかし、これを見てください！Aさんがお菓子を食べた途端…」
『…ミィー』
ソファーの上には金色の毛で覆われた手の平程度の大きさの子猫が座っていた。
「…………」
「………あの、委員長？どうしましょうか？」
子猫を見たまま動かない雲雀に草壁は怖ず怖ずと尋ねる。その間にも子猫はクワァーと小さな欠伸をしていた。
『…ニ？』
「………。」
雲雀は片手で子猫を抱くとクスリと笑う。もはや、金色の子猫の虜になっていた。
「(委員長が笑ったー！？も、もしやAさんをこのまま飼う気なんじゃ…)い、委員長！早くAさんを元に戻してあげなければ…」
その瞬間、ドガーン・ドスンと言う音がグランドから聞こえてくる。雲雀は(草壁に投げて)落ちたトンファーをしまうと、子猫を抱き上げたままグラウンドへと向かっていった。
――――――…
雲雀がグラウンドへと出た瞬間、雲雀の靴にラジコンへと変化したレオンが当たる。雲雀はそれを子猫を抱き上げた手と反対の方で掴んだ。
「ひ、雲雀さん！？…な、なんか子猫抱えてるし！」
「やぁ。」
急いでやってきたツナは、休日の学校ですら雲雀がいることに驚いた。
「なんで雲雀さんが……しかもレオンを雲雀さんが捕まえたってことは…」
「どうやらこの勝負は雲雀の勝ちみてぇだな。」
ツナが一人焦っているとリボーンがやってくる。リボーンの登場で雲雀は機嫌を良くするが、反対にツナはリボーンの言葉にショックを受けていた。
「やぁ、赤ん坊。」
「ちゃおっす。」
雲雀はレオンをリボーンに返した途端、腕の中にいた子猫が身震いをして雲雀の懐に潜っていく。それを見た雲雀はため息を吐きながらも背中を撫でていた。
「…A、くすぐったい。」
『ミｨー…』
「え！？その子猫って…しかもその金色の毛！もしかしてA！？」
『ミィー』
肯定するかのように子猫は鳴く。当たり前のように言い当てたツナの言葉に雲雀は目を丸くした。彼女の名前を言ったのは確かに雲雀自身だが、それだけで見破られるとは思っていなかったからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
