私と俺は某マフィア漫画に転生したようで……【第四章】 (ページ34)

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180話だページ34

放課後の教室は朝の教室よりも賑わっていた。
それもそうだろう。なんせ時間に縛られていないのだから。とはいえ部活や委員会があるヤツはさっさと人気者に渡して行ってしまうことだろう。

「復活。死ぬ気で京子のチョコの行方を知る！」

そんな時にツナの声が聞こえてきた。
ふとそちらをみるとパンイチで額に炎を灯したツナが「待て、京子」と教室を飛び出して行った。

「せ…積極的～～～。あれ…ダメツナだよね…」

「あいつ時々純愛の女神降臨すんのよ…」

「あれだけやられても沢田の気持ちに気付かない京子もすごいけどさ」

……確かに。

私はカバンの中にあるクッキーを見つめ息を吐いた。一応、世話になっている人達には渡した。後は恭弥のみ。……なんだけども。

「どーやって渡しゃあいいんだ……」

作ったのはいいものの、あいつが反省するまで口をきかないと言ったばかりである。

もういっそのこと渡さずに帰るか？うーん、それだとあいつに作ったこのクッキーが無駄になるな。

このフォーチュン・クッキーが……

クッキーの中にはおみくじではなく小さく折りたたまれた手紙がある。ちょっと言い過ぎたかもしれないと反省の意を込めての謝罪と大好きという手紙を。

これは零達に隠れて作ったものだからあいつらにはバレていない。

「……とりあえず恭弥の執務机にでも置いて帰ろうかな」

うん。そーだよ。直接渡さなくたってその方法があるじゃないか。

よし。と意気込んだ私は応接室へと向かった。