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172話だ ページ26

ま、まずいまずいまずい!!さすがにこれ以上は無理!!頭がキャパオーバーしちゃう!!


ほ、本当は絶対絶対ぜぇぇぇたいに使いたくはなかったが……このままじゃ処女喪失の恐れがあるんだ。しかも中学校でだ。さすがに嫌だ。無理無理。

ここに来る度に思い出しちゃうから。

そうだ。そうだよ。悪いのは私ではなくて恭弥。
奴が意味不なことを言って狼になっちゃったんだ。


何を躊躇う必要があるか、原田朔!!
そうだ。今使わないでいつ使う!!

太ももについているガンホルダーから拳銃を取り出してすかさず銃口を恭弥の額に押し付ける。カチャリと安全装置を外し引き金を引いた。

無音で放たれる銃弾。銃弾といっても普通の銃弾ではない。これは睡眠弾といって当たったヤツを一時的に眠らせることができる弾だ。

とはいえ1時間で目が覚めてしまう代物だが副作用がある。それはこの弾に当たる少し前に何をしていたのか忘れてしまうのだ。つまりこの弾に当たれば私を襲っていた記憶がゴッソリと無くなる。


けれどいち早く気付いた恭弥(ヤツ)は当たる寸前で体を起こして頭を逸らし避ける。

けれどそれは予想済み。ソファーのスプリングを利用して下から蹴り上げる。それは予想外だったのか見事に蹴り上げた足がヒバリの脇腹に当たり吹っ飛んだ。でも恭弥の脇腹の感触がなかったからまたもや避けられたのだろう。


ようやく上から退いてもらえたことにホッとしつつ体を起こす私に恭弥は「君って戦えるんだね」と驚いたように呟いた。

「まぁ、な」

出来れば恭弥の前では普通の女としていたかったが、お前が悪い。


「次変なことしたら撃ち抜く」

すると恭弥はこてんと首を傾げた。

「変な事って?」

こ、こいつっ!!反省の色はなしかよ!!

なんて怒りが湧いてくるが先ほどのことを思い出しカアァと頰を赤らめる。


「へ、変なことといえば変なことだ、馬鹿!!」

「僕はただ君を可愛がりたかっただけなんだけど」

「……そ、そーゆーのは私が大人になってからにしてくれっ!!!」

「え。やだ」

こ、こいつ……っ!!!

「お前が反省するまで口きかないっ!!」

プイッとそっぽ向く私は怒り心頭のまま応接室を後にした。さっさと家に帰ってサリナに愚痴を聞いてもらおう。うん、そうしよう。

教室には戻らずに私は帰路についた。今日は五限で終わりだからな。カバンを持ってきといてよかった。

ふん、恭弥め、しっかりと反省すれば良い。

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作者名:ゆっくりノワール×夜野兎 x他1人 | 作成日時:2017年12月3日 16時

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