第5話 マリオネット〜前編〜…12 ページ17
宗「罰としてこのチケットをばら撒いてきたまえ！」
宗は先程、部室に持ってきた箱をみかに手渡した
みか「ライブのチケット？俺ら今まで自分で売ったことなかったやん」
宗「このご時世だ。忌々しいが僕らも現在の地位にただ胡座をかいている訳にはいかん！世間の凡俗共にアイドルの何たるかを知らしめてやろう！さぁ、早速ばら撒いてこい」
仁兎が宗とみかに歩み寄り、2人の手を掴み部室から出ようとしていた。その行動に宗とみかは驚くがみかも仁兎の行動理由が分かり笑う
みか「せなや！一緒に行こ…3人で！」
宗「馬鹿を言うなっ！！」
仁兎とみかが宗の手を掴みながら引き、抵抗する宗
宗「芸術家は頭を下げて作品を売り歩いたりしな…こらっ！」
仁兎「あはは…」
仁兎が笑顔を向け宗はそれを見て…大好きな笑顔を見て嬉しそうな顔をしていた
みか「行こ行こ！」
宗「あーもう！君達は僕が操る通りに動いていれば良いのに！！」
宗も観念して3人で仲良くライブのチケットを売りに行っていた
仁兎(今でも覚えてる。その日は、気持ちよく晴れていて、風が爽やかで心地良くて…俺達は夢中でライブのチケットを夕方までばら撒いて回った。あの頃、俺の隣にはいつもお師さんとみかちんがいた)
チケットが完売し、ライブを開くと沢山の観客達が満員になる程集まっていた
仁兎(その時はまだ気づいてなかったんだ…
マリオネットの糸が無惨に断ち切られる時が忍び寄って来てるなんて…)
次回、マリオネット〜後編〜
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作者名：勿忘草
| 作成日時：2020年1月1日 16時
