1 夢の中の想い人（尾形視点 ↓） ページ1
俺が完全に前世の記憶を取り戻したのは中学の頃だった
朝、目が覚めると 俺は泣いていた
そして 一人の女の名をつぶやいた
「A」
言葉にすると 再び涙が流れてきた
胸が苦しくて しばらく狂ったように泣き続けた
それまでにも前世の夢を 見たことはあった
だがいつも目が覚めると 夢の内容をほとんど覚えていない
かすかな余韻が残るだけ
初めて夢を見たのは幼少期
何度か涙を流し目を覚ます
そのたびに ばあちゃんに怖い夢でも見たのかと心配された
小さかった俺はなぜ泣くのか理解できずに それはただの夢で終わった
小学に上がり 夢は少しづつ鮮明になる
だが なんとなくでしか夢の中の女を思い出せない
覚えているのは またもかすかな余韻だけ
その女の傍にいるとおちついた
その女に名を呼ばれると嬉しかった
その女の傍にいる時だけ 安眠できた
俺にあまり興味のない母親のせいで、望む母親像を夢の中で作り出しているのだと
自分の中でその夢をおさめていた
だが夢の中の女に似た人影を見つけると つい追いかけ そのたびに落胆した
ああ・・・ 違う、 違う
バカか俺は・・・ あれはただの夢だ
そう何度も自分に言い聞かせ、それでも俺の心には ずっと夢の中の女がいた
そしてついに中学の時 あの夢はただの夢ではないことに気づく
前世の記憶を完全に取り戻す
その後の俺は すぐにAを探すべく行動に移した
ネットでツイッターなどの情報もあさり、Aに関連しそうなつながりを探す
同じこの世に 一緒に生きていてほしいと必死に願った
受けるつもりだった高校を北海道にかえ、北海道にも住んだ
だが いっこうにAは見つからない
代わりに 杉元や、今は明日子という和名であるアシリパ、白石にも出会うことになった
奴らにも同じく俺と同じ前世の記憶が蘇っていた
Aにも前世の記憶があるかもしれないと期待が膨らむ
だがふと不安がよぎった
あいつは俺たちを・・・ ”俺”を・・・
探すだろうか・・・？
前世の記憶が蘇り、思い出した お前の最期・・・
銃に撃たれ 横たわるお前
俺をじっと見つめ そのまま俺を瞳にうつしながら お前はこと切れた
俺はただ それを見つめていた
見つめることしかできなかった
お前は俺を・・・ 恨んでいるだろうか・・・？
お前は 俺に笑いかけながら 最期・・・
なんと言ったのだったか −−−
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 81人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ソラノ(プロフ) - とりあえず 11月から 日常編？のような感じでかけたら幸いです (2019年10月31日 2時) (
レス) id: 0026594e4c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - ソラノさん» いえいえ、前作の人魚のお話から読んできましたがとても楽しみに見させて貰ってます(*´▽｀*)お体に無理の無いようにお過ごしくださいね！ (2019年10月25日 2時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - Σ は、反応があった！！！ 有難うございます！！！ とりあえず出会い編はそろそろ終わらせて 前世へ主人公の意識が飛ぶ話とか、同棲してからの話しとかそろそろ展開変えたないなぁ〜とか思ってます！ 有難うございます！！！ (2019年10月24日 0時) (レス) id: 0026594e4c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - ソラノさん» 楽しみに読んでますよ(*´∇｀) (2019年10月20日 15時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
ソラノ(プロフ) - （あ、ちなみにツイッター ネームは 「ソラ」です。すいません） (2019年6月25日 0時) (レス) id: 88162d403a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ソラノ | 作成日時：2019年4月8日 4時
