１４３話 ページ1
のっぺら坊は困惑気味に私を見下ろす。
(なに言ってんだ……私)
涙が落ち着くと、ゆっくりと立ち上がってズボンに付いた砂を払う。
「すみません、ご迷惑おかけしました」
のっぺら坊に頭を下げ、真っ直ぐに青い瞳を見上げる。
「状況はもうお分かりと思いますので端的に言います。貴方をアシリパちゃんの所へ連れていきます」
返事は最初から聞く気は無いので、
「失礼します」
ヒョイッ
のっぺら坊を横抱きにして走り出す。
(うわ、この人ちゃんとご飯貰ってたの？)
思っていた以上に軽々と持ち上げることができたので、若干引いた。
「あ、杉元君！」
建物の下から、杉元の顔が見える。
「……そいつはッ！」
私が持ち上げている男を見ると、杉元は絶句した。
「A、そいつ下ろしてくれ」
「え、でも……」
「いいから」
明らかに纏っている雰囲気が変わった。微かに漏れ出す殺気と果てしない怒りに怖じ気づき、私はのっぺら坊を地面に下ろす。
(待てよ、状況が違うとは言え杉元とのっぺら坊が一緒にいるということは……)
瞬間、どこからか山猫の気配を感じ、背筋が凍る。
「……分かってると思うけど、手短にお願いね」
もっとも、杉元に私の声は届いていないだろうけれど。
「本当はなぁ……あんたをアシリパさんに会わせたくねぇよ！！」
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華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
