１４４話 アシリパSide ページ2
「みんな無事か？」
言われた通り正門で待っていると、現れたのはキロランケ一人だった。
「Aと杉元は？」
「Aとは途中ではぐれた。杉元は舎房から助け出したが、ひとりで教誨堂へ行った」
教誨堂に土方と犬堂がいることを聞くと、夏太郎と牛山は教誨堂へ助太刀に向かった。
「お前は行ったらダメだ」
頭をキロランケに掴まれる。
「……でも」
もしかしたらAと杉元もいるかもしれない。
「インカラマッ!？」
後ろで谷垣の声がする。
「屋根の雪下ろし用のハシゴです。高いところから見渡せるかも」
そう言うと、インカラマッはハシゴを登っていった。
「アシリパちゃん、上に来てくださいッ、のっぺら坊と杉元ニシパと、あれは……Aさん!？」
「……!？」
何故その三人が一緒に？一瞬疑問に思ったが、今はそれどころではない。急いでハシゴを登り、インカラマッの側へ行く。
「あそこです！」
インカラマッの指差した方向を双眼鏡で見る。長かった髪が短くなっているAと、杉元の間にいる者。自分の心音が、緊張と共に大きくなる。
(………アチャだ)
見た瞬間、確信した。自分の知っている父とは変わり果てた姿をしているが、絶対に自分の父親だ。
「どうだ？アシリパ、お前の父親か？」
キロランケの急かす声が聞こえ、ゆっくりと目から双眼鏡を離す。
「アチャだ」
自分の目から涙がこぼれる。
(アチャ……どうして……？)
インカラマッに双眼鏡を渡し、止めどなくこぼれる涙を必死に止めようとする。
シ ュ パ ァ ァ ッ
銃声とほぼ同時に、インカラマッが小さく声を出した。
「ウイルクが撃たれたッ」
「え!？」
反射的に三人のいる所へ視線を戻す。杉元は咄嗟にのっぺら坊を盾にするが、
シュパアッ
「杉元ォ！！」
額を撃ち抜かれる。目の前で二人が撃たれたAは、狙撃から死角になるよう建物に二人を投げ、自分も建物へ隠れようとするが、
シュパアッ
背中から体の中心を撃ち抜かれ、その場に倒れる。
「Aッ！！」
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華洛 - いちにちでよみきってしまいました！すごく面白かったです！更新待ち続けます！ (2022年5月19日 23時) (
レス) @page34 id: 9cd2997260 (このIDを非表示/違反報告)
冬華(プロフ) - 更新待ってマス！！ (2022年3月24日 22時) (レス) @page34 id: df15541a66 (このIDを非表示/違反報告)
名無し95348号(プロフ) - とても面白くて一気に読んでしまいました！更新待っています！！！！ (2020年9月22日 7時) (レス) id: ca8cd08e4b (このIDを非表示/違反報告)
マリンバ - めっちゃ好きです！(唐突)大変だとは思いますが、更新頑張ってください！ (2020年3月19日 15時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
境 - このお話好きになってしまいました！！！！更新頑張って下さい！！応援してます！！！！！！ (2020年1月17日 21時) (レス) id: 7788c7aee9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海豹 | 作成日時：2019年2月17日 1時
