きゅう ページ10
浦田先輩と別れて、そうっと教室に入る。
私はクラスでも地味な方だし、下手に目立つと面倒だからね。
勿論、心の中は表情に反比例して最高潮だけれど。
(浦田先輩がっ！！私の名前をっ！！！)
ここが教室じゃなかったら叫んでたレベルで嬉しい。
好きな人に名前を呼んでもらえるなんて、これ以上の幸せはないと思う。……なぁんて言ってみたり、私もなんか乙女っぽくなってきちゃったかなぁ。
若干ニヤニヤしつつ本でも読もうかと机の中を見ると同時に、目の前に大きな影が落ちた。
『へっ？、ぅ、ぁ……』
「……ちょっと今いい？」
顔を上げると、嫌と言うほど目立つ金髪が視界に飛び込んできた。
これまでされてきた数々を思い出して、本能的に拒否反応が起こる。意味のない母音をただただ繰り返していると、暗黙は了解の意と捉えられたのか手首を掴んで立ち上がらせられた。
『きゃぁっ、』
「黙ってて」
ふにっ、と折原くんの細い指が私の唇に押し当てられた。
そのまま するりと唇をなぞられ、硬直したまま抵抗を忘れてしまう。果たしてそれが狙いだったのか、折原くんは満足げに微笑むと、「そうそう、いい子にしといて」と教室から私を連れだした。
ほとんど言葉も交わさず、折原くんが連れてきたのは体育館裏。
あれ、なんかデジャヴ……と思った束の間、ダンッと強く壁に押し付けられた。
手首はぎゅうっと掴まれたまま。うっ血して感覚もなくなってきた。
「……お昼、誰と食べてたんや」
『えっ、？』
「昼飯誰と食うてたんやって聞いてんねん！」
ぐうっと近づいて来た、折原くんの整った顔。
蜂蜜色の瞳が怒りで揺れている。その細められた目に映る、恐怖で震えている私と目が合った。
なんで怒られてるの、と聞く間もなく 首元に じゅくん、と熱い痛みが走った。無意識のうちに声を上げると、「うるさいねんお前」ともう一つキスマをつけられる。
『……なんで、』
「、は？」
『なんで折原くんに怒られなきゃいけないの！？私が誰と居ようが、私の自由じゃない！！』
「……あ〜あ、」
物分かりいい子やとおもってたんやけどなぁ？
折原くんは じりっと距離を詰めると、「お仕置きや、アホ」と吐き捨てた。
顔を背けたけれど、彼の大きな手で抑え込まれてしまう。二人の距離が段々近くなってゆくのが分かって、目尻から温かい涙が溢れた。
誰か助けて、と心の中で叫んだのと、小さな足音が近づいてきたのはほぼ同時だった。
「……Aちゃん、？」
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ちょこ - 終わってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！ (2021年3月27日 20時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - さくら子さん» レス遅れてしまいすいません(><) ありがとうございます ……!! 周りとは違う感じを出そうと頑張ってたのでそう言ってもらえて嬉しいです !!!! (2020年3月17日 17時) (レス) id: e4f13cf625 (このIDを非表示/違反報告)
さくら子 - 王道だけど人とはどこか違う感じがいいですね〜*！私は裏千家なので推しと好きなジャンルのよくばりセットです お腹いっぱい ｺﾞﾁｿｳｻﾏ (2020年2月18日 21時) (レス) id: 5cde58dc63 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - ちゆさん» ありがとうございます；； 今まで全然そんなことなかったのですが、急に小説を書くことが怖くなってしまって、、まだ完全に抜けきったわけではないですが ゆるゆる頑張ろうと思います；； (2019年12月22日 16時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
ちゆ(プロフ) - スランプは誰でも一回は来ると思います…(上からなんかさーせん)いつでも待ってますね！もでらーと。さんの作品いつも楽しく拝見しております！お体には気を付けて… (2019年12月22日 13時) (携帯から) (レス) id: 3c60ed8354 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もでらーと。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/
作成日時：2019年8月11日 12時
