すいーと・すいーと・まいほーむ【あほの坂田】

さんじゅうさん ページ34

「……で、カルテが見事にクリーンヒットした、と…」
『まあそういうことですね』


目尻を押さえて へらりと笑うと、無言で ぐいっと引き寄せられた。
よろめいた頭までも一緒に、そのまま坂田先輩の腕に閉じ込められる。



『せんぱい…？』
「、ホンマにAは…笑い事じゃないやろ」


はあ、と呆れたような、でもどこか優しいため息。
するりと撫でられた頬が、ぐうっと熱を持って熱くなってゆく。



「ええか、Aは優しすぎんねん。
どうせ夏目に謝って帰ってきたんやろ？ほんで俺には何も言わんとこうってしてたんやろ？」
『ぅ…』
「たまには頼ってや……坂田先輩泣いちゃう」


ふええ、とわざとらしく泣き真似を始める坂田先輩。
えへへ可愛いなんて頭を撫でると、むうっとむくれてしまった。



「むぅ…子ども扱いすんなぁ」
『だって先輩可愛いんですもん』
「………カッコいいって言うて」


何かの本で読んだけれど、男の人は"可愛い"と言われるのを嫌うらしい。
でも彼氏がスーパー超絶国宝級に可愛い私はどうしたら言いわけ？



「カッコいいって言いなさい」
『はいはいカッコいいですよ』
「ふふふ、Aちゃんはツンデレさんですねぇ」


ぽんぽん、とあやすように撫でられる頭。
そのリズムが心地よくて うっとりと目を細めていると、



『んぅ、』
「…っはあ、」


そっと触れるだけのキスなのに、顔は赤くなっていくばかり。
短いのだけなのが何だか寂しくなって、坂田先輩の唇をふにふにと触る。



「ふふふ〜A積極的やねぇ」


坂田先輩はどこまでも嬉しそうだ。
彼がいいならこのまま、……なぁんて。



*

宿題終わりません受験生です。
ヤバい。切実にヤバい｡｡。

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