にじゅういち ページ22
『っ…、』
「あ、起きた」
目をうっすらと開け体を起こすと、ひょいと覗いた翠色の瞳。
ズキッと頭痛がして頭を押さえると、「あ、まだ寝といていいからね」とゆっくりと押し戻された。
『あれっ…私、』
「…あー、覚えてない系？Aちゃん、高熱出てんのに外出てぶっ倒れたんだよ」
『…道理で頭痛いと思いました』
「上着もないし俺が来なかったら死 んでたよ」とおどけた様に言われ、そして はたと思い出した。
『そうだ…！坂田先輩っ！！』
「あ、坂田なら心配すんな」
てゆーか忘れてたのかよ、という呟きも耳に入らず。特大の安心で枕に顔を埋めた。
「あいつ道に迷ったらしくてさ、[うらさん助けてぇ！]って電話掛けてきた」
『ふふ、先輩らしいです』
「だな。……あ、電話すっか」
誰に、なんて言わずもがな。浦田さんは慣れた手付きで発信ボタンを押し、すぐに彼の大声が聞こえてくる。
[うらさん！Aが…Aがおらへんねんっ！！]
「うおっ…声でけぇな」
[そんなん どーでもええねん！家帰ったらA居らんくなってんねんけど！！]
「あー…Aちゃんならウチにいるけど？」
[………………………は？]
離れていても分かる、低い低い声。
坂田先輩のクセだ。気に食わない事があったり怒ったりした時、すぐに声に出てしまう。
[…浦田さん、どういうことなん？やっぱ付き合ってるん？Aと]
「だから違うっつってんだろ、さっき言ったじゃんか。てかその前にAちゃんの心配しろよ」
[Aの…心配？]
「39°C出てますけど」
[………うぇええ！？す、すぐ行く！]
ドタバタというBGMの後、ガチャッという電子音。
一方的に電話が切られ、浦田さんが はぁ、とため息をつく。
「…ってことらしいです」
『はい』
坂田先輩が来るなら…と起き上がろうとすると、「だーめ！」とあざとく止められてしまった。
しばらく経って持ってきてくれたのは、私の大好きなプリン。
偶然なのか奇跡なのか、いつも坂田先輩が買ってきてくれるものだ。
『ありがとうございます、』
「いーよ、気にしないで」
にこりと笑うと、彼もどこからともなくプリンを出してきた。
二人並んでいると、先輩のことを思い出して辛くなってくる。
「Aちゃん」
『は、はいっ！』
「…坂田と、何があったの？」
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ナギ(プロフ) - 『なな』なんですけど、なんで浦田さんがなまってるんですか？うらさん埼玉県出身ですよ？ (2022年11月7日 22時) (
レス) @page8 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - 梨鈴＠坂田家さん» えっ是非（は） んええありがとうございます；；大丈夫です私も書きながらニヤニヤしてました（） (2019年12月22日 17時) (レス) id: 036013db22 (このIDを非表示/違反報告)
梨鈴＠坂田家 - もでらーとしゃんしゅきでしゅ。けっこんしましょ。(((キモ あ、すごくおもしろかったです。読み終わったあとの余韻(?)すごすぎてずっとニヤニヤしてました((キモいってだから (2019年12月11日 18時) (レス) id: 0ebf5613e7 (このIDを非表示/違反報告)
扇@crew(プロフ) - もでらーと。さん» ありがとうございます！それでは、【決定事項】に追加させて頂きます。 (2019年10月3日 17時) (レス) id: 7b253820d2 (このIDを非表示/違反報告)
もでらーと。(プロフ) - 扇@crewさん» はい … !! よろしくお願いします (2019年10月3日 14時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もでらーと。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/mafusakacrew/
作成日時：2019年4月25日 17時
