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「A!早く準備して。みんなに置いてかれちゃうよ!」
『わかったってば。カスミ待って!』
今日は月に三度行われる市場へ行く日だ。この村の特産品である自慢の絹を売りに行くのだ。
絹を売ったお金でありったけの食料を買い、村全員に配給するため動ける男女総動員だ。
「もう。Aってば遅い!」
『だって左手で包帯巻けなくて…』
プンスカ!といったようにカスミが私の手から包帯を奪い取る。
カスミは私の1つ年上の姉だ。
カスミの父親が私を拾ってくれたのだ。
事の経緯はというと。
太古に追放された呪術師は身を潜めて暮らしていたが、追放数年後に反旗を翻して村を襲ったり、悪質な呪いをかけたりした。
そのため、数百年前から呪術師狩りが発布され、呪術が使える者は問答無用で捕まってしまう。
その令は今も継続されている。
もちろん、私も呪術師狩りの対象人物なのである。
8歳の頃、両親共に失いカスミの父に保護されてカスミとは義姉妹になる。
呪術は使えば使うほど体のどこかが黒く刺青のように変色していくが、私はほとんど使ったことが無かった為、黒ずんだ跡がなく安全と判断されたようだった。
カスミの父とこの村の人が優しかった事には頭が上がらない。
「ほら。いくよ!」
『はーい!』
カスミに 右腕に残ってる微かな呪術師特有の跡を包帯で巻いてもらい、急いで荷馬車へと向かった。
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ひより(プロフ) - コメント失礼します!すごく面白いです!更新頑張ってください! (2020年1月18日 0時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
熊ねぇ→RONON(プロフ) - タイプ過ぎるよ(・_・)← よかったら宣伝良いですか? (2020年1月7日 19時) (レス) id: 873b1f45bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉 | 作成日時:2019年12月27日 19時