・ ページ25
天空のライアーに想いを寄せていたウェンティを現実に戻す様にジンは聞く、
「これはトワリンを呼べそうか？」と、
その問いにウェンティはジンの言葉を受け入れるが、「今は無理だと答える。」
続けて、
「――――――みんなが見た通り、千年の時を経て「風」の力はとうに枯れてしまった。」
たとえ、ディルックの酒場でライアーを弾くことは可能であっても、これでは無理だ
酒場のオーナーであるディルックはウェンティのその言葉にツッコむが、「ツッコミどころが違う」とパイモンにツッコまれてしまった
「おい！天空のライアーを手に入れたのは、酔っ払い相手に聞かせるためなのかよ？」
「えへっ。」
「「えへっ」てなんだよ…！」
真面目に答える気が無いウェンティにパイモンはご立腹だ
話題を変えるように天空のライアーを見つめ、「トワリンと話し合うためにはこれでは足りない」という
だが、「問題があるのはライアーではなく弦のほうだ」と続ける
「君の出番だよ、異邦人！」
「私？」
急なご指名に蛍は素っ頓狂な声が出る
言っておくが、数多の世界を旅してきたとはいえライアーを直す技術など蛍は持っていない
今の蛍の心情を察したウェンティは笑い、説明する
「「風」の元素の濃度が、この弦には全く足りていないんだ。」
蛍がトワリンが流した涙の結晶を持っていることを改めて確認するようにリアンが、
『旅人。』
「うん、分かってる。」
リアンの言葉を最後まで聞く前に理解し、取り出す。
「よしっ、それを天空のライアーの上に落としてみてくれ。」
「任せて。」
ウェンティの指示通りに天空のライアーに涙の結晶を落とす
すると、天空のライアーの色は先程まで銀色と茶色であったのに、金色とクリーム色に変わり何処か寂びれた感じが若々しくなっていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菊春 | 作成日時：2022年3月8日 12時
