キイロとクロ7 (ページ23)

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『僕の知らないAがいることが

どうしても許せなくなってた。

いつだって側にいたのは僕なのに

みんなが知らないAの顔を知ってたのは

ずっと僕だけだったのに

もう違うんだって思ったら、Aが離れていくのが、すごく怖い。』

「ねえ、海人」

『…側にいてよ。』

「…それは、幼なじみとして、でしょ」

『違う

1人の女の子として、だよ

好きだよ、A』

僕がその2文字を口にすると

動揺したみたいに、Aの目はゆらゆらと揺れた

『一年前のキスした日から、どっか変なんだよ

あれをなかったことになんかできてない』

「、、、」

Aはスカートの袖をギュッと掴んで

下を向いて泣くのを我慢しているようだった

「、、、っい」

『え？』

「遅い。

もう、遅いよ

廉くんのことが好きなの。

悲しませたくないし、傷付きたくもない

ずっと守ってくれてるのは廉くんなの」

『わかってるよ、わかってるけど、、、』

「だったら、もう、そんなこと言わないで」

『…無理なの。

お互いの都合考えたり

顔色伺ったり

もうそういうのやめない？

好きなんだよ、Aのこと。

悲しませたくないってAが思うように

僕もAのことも、廉のことも、これ以上悲しませたくないし

困らせたくなかったから、何も言えなかったけど

やっぱりAだけは、失いたくないの

Aだけは、何があっても、他の奴のところになんか行って欲しくない

どうしようもなく、好きだよ』

Aはほんの少しだけでも、まだ僕を好きなんじゃないかって

少しだけ期待してたんだ