キイロとクロ7 (ページ22)

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ここ数ヶ月、少しずつ海人の様子に違和感を感じていた私は

ずっとそれを見て見ぬ振りしていた

だけど、もう、それはできないみたいだということをこの一瞬で悟った

『本当に、可愛い』

じっと見つめてそんなことを言う彼
いつもの海人ではないってことくらいすぐにわかる

「…何言ってるの笑

赤になっちゃったじゃん」

それでも私を撫でる手を止めない海人

だめだ、またあの日みたいに。

海人に触れたあの日を思い出してしまう

このままじゃ海人の中に引き込まれてしまうと感じた私は

咄嗟に少しだけ後ずさりをした

すると私の体は傘から少しだけはみ出て
強い雨が体に当たり、一気に全身が冷えていくのを感じた

すると海人は何も言わずに傘を私の方に傾けた

その肩は雨に打たれ、シャツは段々と色を変えていく

『…A』

そんな目で見つめないでよ

「…」

『Aが僕のこと好きなの、知ってたんだ』

「へ？」

『…知ってたのに、気づかないふりしてた。

あの時はAの存在がどれだけ大事か気づかなかった

本当にごめんね。』

「…えっなに、今更…」

『Aがもう側にいないってわかってやっと気付いたの。』

ねえ海人

今何話そうとしてるの？

聞いちゃいけないことだってわかっても

体は動かなかった