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証人─────過去 ページ30

「新しくポートマフィアに入れようかと」

「いっ、いいんじゃないか」

 声が裏返っている。確信した。この人は、森さんが怖いのだと。

「そうですか。二人とも良かったね」

「あ、有難う御座います!」

 姉さんが慌てて頭を下げたので、私も下げる。

「それじゃあ、治君?」

「……私の事は太宰と」

 昔から、下の名前で呼ばれるのは好きじゃない。……姉さんは別として。

「太宰君。これを」

 耳栓。

「これをどうしろと?」

「A君に付けて。視界を塞ぐんだ」

 私の耳元で姉さんにも聞こえない様、小さい声で云う。

 理由は判らないが、やってみる。
 
「これでいいですか?」

「お、治?」

「嗚呼、それで良い」

 私は姉さんの頭を優しく撫でる。

「森? な、何をしようと……」

「太宰君。君は見ていたまへ。新しい首領が生まれる瞬間を」

──バン。大きな音が部屋中に響く。

 いつの間にか森さんは銃を握っていた。

「…………っ」

──バン。もう一発。今のは森さんは撃っていない。

 ならば、誰が……。

「うふふ」

 首領と呼ばれた人の後ろに女の子が立っていた。私達より年上の女の子。
 その手には、森さんと同じく銃が握られていた。

「いいかい。太宰君」

「……な、んですか」

「君は今、何を見た?」

 何って……。

「森さんが首領と呼ばれる人を撃ちました。あと、女の子が……あれ?」

 首領の後ろにいたはずの女の子はいなくなっていた。

「その子の事は、何時か紹介しよう。だから、忘れなさい」

 忘れろと云われても、無理なものは無理だ。

「一つお願いがあるんだ」

 森さんは私と視線を合わせる為、しゃがんだ。

「証人になって欲しい」

「証人……?」




▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
一応、森さんが元首領を殺す場面を書きたかったんです。
わかりましたか?
森さんとエリスちゃんがどこを撃ったか……。
それは、皆様のご想像にお任せします。

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tubin - コメント見れないんですか? (2022年1月5日 17時) (レス) id: f053091504 (このIDを非表示/違反報告)
tubin - ロックを掛けたみたいなのでここでお話させていただきます。 なにか手がかりありましたか? (2022年1月5日 17時) (レス) id: f053091504 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:LUCA | 作成日時:2019年3月29日 19時

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