《第二話》 ページ3
『オペラ…お前、年取ったか?』
オペラ「まぁ、それなりには。それに比べてAさんは全然変わらないですね。」
『ん?ワシには家系能力があるからのぅ。』
オペラ「ずっと不思議だったのですけど、なんであるんですか?念子でしょう、貴方。」
『……さぁ、なんでだろうな。』
ある日の夜、食事中のAの傍らに立つオペラにそんな質問をした。
あいも変わらずの無表情を崩したくそんな失礼な質問をするも、オペラは反応を示さなかった。
そんな態度を取られ怒ったのかAもそっけない返事を返した。
完全に八つ当たりだ。
オペラ「…ところで今日は理事長の孫が来るそうですよ?」
『む?サリバンに倅はいないはずじゃが?』
オペラ「本人曰く裏ワザでなんとかしたらしいです。」
『ほーお?じゃ、会いに行くとするか!』
オペラ「お孫様はただいまパニック中らしいのでダメです。」
『んん?何故じゃ?』
Aの様子を鑑みて新しい話題を提供するオペラ。流石としか言えない。
新しい話題は突然降って湧いたサリバンの孫について。
上記にもあるようにサリバンには子供がいない。
そのため孫は血の繋がりのない養子なのだが、Aがそんな事情を知るはずもなく。
ただでさえ意味不明なことに意味不明が重なり、顔を顰めた。仕方ないことである。
ちなみに今はサリバンがイルマに孫になることをお願いしている瞬間である。
もし仮に、今Aに会った場合、イルマはさらなるパニックに陥るだろう。
それを見越しての対応である。
サリバンはオペラにもしもAが変なことをしたら止めろというストッパーの役割を押し付けられていたため、嫌々ながらAが人間であるイルマの匂いに釣られないようにしていた。
オペラ「とにかく明日は入学式なのでそこでお孫様は見ることができると思うので早く寝てください。」
オペラによるとこの日のAは異様に寝付きが良かったとか。
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作者名:りんご飴 | 作成日時:2023年2月6日 18時