拝啓、人殺しの君へ。【SEVENTEEN】

…呪縛.You ページ19

「触らないでっ、、っ、!!!!」





肩に伸びてきた手を強く振り払うと乾いた音がして、一瞬時が止まったかのように静まり返る。
歪む視界でもTHE8さんが私に殴り掛かろうとするのが見えた。





『私の男(ひと)を盗った悪魔!!!!』





また、殴られる。

また、痣が増える。

また、地獄を味わう。





姿形は似ていないのに、自分の母親に影を重ねた。





怖くて身体が動かなく、もう殴られようと諦めた。





DK:「待って!!!!!!!!」

「っ、、ふっ、、っぅ、、??」





大きな彼の声でTHE8さんの動きが止まった。


……庇ってくれたの??


大きな声の彼は何故か泣きそうな顔をして身体を傾け私に近づく。
不思議と、近づかれても先程の恐怖はなかった。
それは庇ってくれたからだろうか。

優しい眼差しに視線を逸らすことはしたくない。

彼の、ドギョムさんの話を聞いてみたい…。

そして、ちゃんと謝りたい…。





DK:「…………ごめんなさい、怖がらせて」





いいえ、謝るのは私の方です。
どうか瞳に溜まった綺麗な雫を零さないで下さい。





「こちらこそ無礼をお許し下さい……痛かったでしょう??」




深く頭を下げ謝罪するも、首をブンブン振って否定する彼。





DK:「びっくりしただけです、平気です!!!!」

「…………ドギョムさんはとてもお優しい方ですね」





それもバカがつくほどに、ね。





DK:「ぼ、僕の名前覚えててくれたんですか!!?」





やっぱり、おバカさん。
でも憎めない愛らしさも感じる。





「……まぁ、名前ぐらいは当然の事です」





そう言うとパァっと明るくなる顔。





DK:「嬉しいですっ!!!!」





お日様みたいでポカポカする笑顔。
彼のハッピーウイルスに私も感染したのかもしれない。
被っていた仮面が外れかけ、口角が上がる。





「……良かったですね」





何で私、笑おうとしたの……??

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