拝啓、人殺しの君へ。【SEVENTEEN】

...出会い.You ページ2

嫌だ。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

吐き気がする。

目眩がする。

頭が痛む。

どうして私は輝きを放つ彼らに会わなくてはいけないのだろう??

穢れた存在が、犯罪者が。

彼らに相応しくない私は彼らが住む宿舎の入口で必死に溢れそうな感情を殺しインターホンに手を伸ばす。

どうか、出ませんように………。





「は〜い………」





願いも虚しくガチャりとドアノブが回り、中から大きな瞳に長いまつ毛が特徴的な青年が顔を覗かせた。

落ち着け、落ち着くんだ私。

息を吸って、吐いて。

いつもの表情を作る。





「………初めまして、チョンさんから…あなた方の元マネージャーさんの後を継ぐ事になったキム･Aと申します。……今日は挨拶に来た次第です」





感情のない顔。

いつしか私は仮面をかぶるように表情を隠して行った。

何年ももう昔のこと過ぎて、あまり覚えていない。

目の前の彼はこれでもかと言うぐらい目を大きく開いたが、やがて落ち着きを取り戻したのか子供のような笑顔を見せる。





SC:「ご、ご丁寧にありがとうございます……///」





何で照れてるの??

意味が分からない。





SC:「ここじゃあなんですし、どうぞ上がって下さい。お世辞にも綺麗とは言えませんが……(笑)」





いや、だから何でそうなる??

言っとくけど、私貴方たちと仲良くするつもりないから。

あくまで仕事だけの関係。









だって私は『人殺し』なんだから。









「結構です…………」

SC:「え??」




手に持っていた手土産のケーキの箱を半ば強制的に彼に押し付け、私は頭を深く下げた。





「今日は挨拶に来ただけですので……。これ、少ないかもしれませんが皆さんで食べてください」





そうして呆気に取られた彼を背に踵を返すのだ。

これ以上、手を汚さないために。

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