陽だまりの５人組 (ページ22)

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中間テストと部長のはなし side O ページ22

「ニノぉーっ！助けてぇえ」

「は？」

「数学がぁあ！！」

「馬鹿なの？あんた２年生。俺１年」

「ニノちゃん頭いいでしょっ？」

「翔ちゃんに頼みなさい」

「だって翔ちゃん、自分の勉強してるから邪魔するの何か……」

「俺なら邪魔してもいいと？」

「ニノちゃんテストの前日でもどうせゲームしてるじゃんかあー！助けてー」

なんて会話がこの間まで繰り広げられていたのが嘘みたいに閑静とした部室。

静かにドアが開く。

「大野」

「久し振りだね、学園ちょー」

「相変わらず、お前は成績の張り出しは見に行かないんだな」

「別にどうでもいいもん」

ウチの学校は。
そこそこの進学校ということもあって、定期考査の後は各学年の成績上位10名が掲示される。

「まあ、構わないんだが」

そう言うと、部室の窓際に置いてあるキャンバスに歩み寄る。

「やっぱり綺麗だな、大野の描く青は。校内のエントランスによく合う配色だ」

「そりゃどうもー」

そうそう、ニノが最初の日に気にしてたこの絵、学園長に頼まれてたんだよねー。エントランスに飾る絵を変えたいって。

「美術部でも充分やっていけると思うが？」

「やあだよ、あんなに製作期間キツキツなの。俺は自由にやりたいのー」

「大野らしいな」

そう言って笑うと、学園長は部室を出ていった。