side M ページ23
「今日の放課後から、中間の成績掲示してるからなー」
朝のHRで、担任がそう言った後は
もう皆ソワソワ、ざわざわ。
終礼のチャイムと共に教室を飛び出していった。
「そんなに気になるかねぇ？」
「なー」
ニノと２人、喋りながらゆっくりと荷物を片付ける。
「あっ照人に今日のプリント提出すんの忘れてた。潤くん先部室行っといてー」
ぱたぱた走っていくニノを見送ってから、昇降口へと向かう。
エントランスの人気はだいぶ引いていた。
通りすがりに少しだけ目を向ける。
……はっ？
思わず、二度見。
いや待て、１年からゆっくり見よう。
もしかしたら誰かがイタズラして張り替えたのかもしれないし。
1年生 総合
７位 二宮 和也
これはまあ、納得。
ニノ、いつも遊んでる割に授業はしっかり聞いて要領よくやってるから。
２年生 総合
１位 櫻井 翔
これも、納得。
周知の事実だしね。
それで………だ。
３年生 総合
１位 大野 智
思わず自分の頬をつねる。
よくやってるじゃん？漫画とかで、夢じゃないかって。
「じゅーん。何面白いことしてんの？」
声がした方を見ると階段をかっこよく降りてくる翔さんがいた。
「俺、起きてるよね？」
「…………？
ああ！智くんねー、ああ見えて特待生なんだよ」
ウチの学校には、一応、特待生制度がある。
特待生であれば成績さえ維持出来るのなら、基本は自由。出席日数もそんなに重要視されない。但し、一学年に１人だけ。
「何でこの学校選んだの？って聞いたら、『特待生なら堂々とサボれるから』って」
だからいっつも寝てるのかあの人。
それで成績維持出来てんのが怖いわ………
その頃、部室では。
「へっくしょん！へっくしょん！
…………何でかな、くしゃみが止まんねー」
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作者名：yellowstorm | 作成日時：2019年7月12日 19時
