弟がうざい、目線が痛い (ページ4)

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第一話　ピアノと血の甘い誘惑ページ4

キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン

チャイムがなると女釣り男子はどこかに行った。
やっと一人になれる…
次は教室移動か…
先に移動してゆっくりしよ。
廊下を歩いていると音楽室からピアノの音が聞こえてきた。
私はクラスメイトが話していた噂を思い出す。

誰もいない夜の学校で、ピアノの音が聞こえる。

誰だろう…と私は思った。あまりにもピアノの音がきれいだったから。
自分もピアノは好きだがそこまで上手く弾ける自信はない。
どうせなら仲良くなってピアノでも教えてもらおう。
私はそう思いながら扉を開けた。
「失礼します。」
「なんだ、僕は美羽を呼ぼうとしたのに…」
「失礼しました…。」
何か怒ってるみたいなので部屋から出ようとしたが…
バシーンと扉が閉まった。
え？逃げれない？
バンッとまた音がなったと思ったらその音の正体はあいつ(昂)が言っていた蓮くんの手だ。
「は？」
後ろに壁、前にはむかつくけどきれいな蓮くんの顔、横には蓮くんの手。
壁ドン!?ほわっつ!?あの少女漫画とかである壁ドンですか!?
でも私は彼が壁ドンする理由を知っている。
逃げるな。でしょ。
「ん？なにかにおわないか？」
「は？」
慌てて指を見るとさっき止まっていたはずの血がまた出ていた…
蓮くんは私の手をとって女釣り男子と同じように自分のもとに引き寄せて

パクッと口に加えた。

「ちょっと！何するっひゃっ」
「やめへぇ…」
「舌回ってないけど大丈夫？」
そんなことを言われても回らないものは回らない。
というか蓮くん?!君のせいだからね!!
ふわふわして何も考えられなくなる。
おかしい、逃げないといけないのに、そう思っているのに体は全然いうことを聞かない。
「あま…」
「はい？」
蓮くんは私の指から口を離すと手で口と鼻を覆った。
「ねぇ…」
「なに？」
あの…怖いです…
「君の苗字ってなに？」
「…？」
不思議そうな表情をしてコクンと首をかしげる。
「っま…」
「ん？」
「霧島…」
あ～、なるほど…そういうことね。
「女つｒ…昂ってやつの弟くん？」
「…。」
無言でうなずく蓮くん。仲良くは…ないみたいだな…
「あっ！そうだ!!」
「っ!?」
「あっ、ごめん…」
急に声をかけたからびっくりしたのカレンくんはさっと後ろに下がった。
「ピアノ！弾いてよ!!」
「…？」
そういうと苗字を聴いたとき同様不思議そうな顔をする。
まあ確かに急だったしな…
「魅了(テンプ)効かないから自由に弾いてもらっていいよ。」
「え…？」