■―４００― ページ10
和也side
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翔「はぁ……」
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あ、１０回目のため息だ
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部屋にいたら翔くんが
「一緒に寝よ」って部屋に入ってきた
そんで今２人でベットに入ってるんだけど
寝る気配なし
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和「翔くん……ため息つき過ぎ」
僕だってため息つきたいよ
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翔「潤くん……わからずやなんだもん」
和「喧嘩の原因は何……？」
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２人とも今まで一度も喧嘩せず
仲良くしてたから……どう対処するべきなのか……
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翔「僕ね、志望校……やっぱ変えようと思うんだ」
和「え……変えるの？」
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翔くん、あんなにあの大学に行きたいって
言ってたのに……
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翔「僕が志望してる大学……全寮制なんだ」
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……なるほど
それを聞いて全てを悟った
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翔「寮に入る事になったら
ここを出て行かないといけない
みんなといられなくなる。それが嫌だから……」
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その気持ち
わからなくもないよ？
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翔「その事を潤くんに言ったら
それはおかしいって……
そんな理由で志望校変えるなんて間違ってるって言われた」
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翔くん……
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翔「酷いよ……。あんな……頭ごなしに言わなくても
僕はただ……みんなとずっと一緒にいたいから……」
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うーん、難しいなぁ
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翔くんの気持ちはわかるけど
潤くんの意見も間違ってない
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和「正直、どっちもどっちかなぁ
……ただ翔くんの考えは間違ってるよ」
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賢い翔くんなら、わかるでしょ？
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和「普通に考えてさ、この生活が
いつまでも続くわけないよ。いつかは終わるんだよ？」
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やや厳しい言い方だが
間違った事は言ってない……つもり
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和「みんなでずーっと一緒になんて
いれるわけない……だって」
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だってね？翔くん――――――――――…
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和「僕……近いうち、ここを出て行くから」
翔「……え」
和「これ、マジな話だからね」
翔「……」
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翔くんは何も言わず、強い力でしがみついてきた
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和「そろそろ家の方に帰ろうと思ってるんだ
潮時がきたんだよ
寮暮らし、意外といい経験かもよ？
社会に出ていくためにも覚悟を決めないと」
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翔くんは結局何も言葉を発しなかった
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作者名：みったん
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mittan/
作成日時：2014年12月13日 1時
