―失声症― ―にのあい―part１４ (ページ29)

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智side

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翔くんの受験日が迫り

神社へ行って合格祈願のお守りを買って

プレゼントした

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「余裕で合格できるよ」と翔くんは笑ってた

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一方の和の方も、家へ戻る準備が着々と進んでいた

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和「父さん……いつでも帰っておいでって

言ってくれてるんだ

母さんも、だいぶ元気そうだし……」

智「そっかぁ」

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和はベットの上に座って

枕を抱きしめながらポツポツ語り

僕は片付けをしながら話を聞いた

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留学に行く事を決めた僕も

少しずつではあるが

身の回りの荷物の整理を始めた

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和「……翔くんの受験の結果が出たら

家に帰るね」

智「……」

和「……もう。そんな顔すんなって！

別に、永遠にさよならするわけじゃないんだから」

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本当は

いつまでもこんな生活が続けばなって秘かに思ってた

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和「そんじゃ。雅紀にちょっかい出しに行ってくる！」

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悪戯っぽく笑って

和は部屋を出て行った

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それと入れ替わりくらいに

今度は潤が入ってきた

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潤「智……」

智「お、いらっしゃい」

潤「……」

智「不機嫌そうだね」

潤「……うん」

智「モデルの仕事、上手くいってないの？」

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念願のモデルになったっていうのに

嬉しそうにしてたのは最初だけ

最近では浮かない顔をしてる事が増えた

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潤「……うん。上手くいってない」

智「そっか……」

潤「上手くいくわけないよ。だってさ……」

智「……だって？」

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潤はさり気なく僕の右手を握った

ギュッと。かなり強い力で

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潤「……あのさ、智。実は」

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