―失声症― ―にのあい―part１４ (ページ17)

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あれから数日が経過

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何度か相田くんの家に通帳を返しに行って

「やっぱもらえない」と伝えたが

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瞬『受け取ってくれないと困るってば

僕からの誠意なの！絶対に受け取って！

恩返しを無駄にしないで』

と言われて結局返さず、俺の手元にある

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確かに人からのせっかくの恩返しを仇にするのは

非常に失礼だろうけど……

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潤「雅紀っ！」

雅「……！」

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ある休みの日。台所でお茶を入れてたら

後ろから松本くんが勢いよく抱きついてきた

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潤「ちょっと雅紀！聞いてよ！」

雅「……」

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珍しく松本くんのテンションが高い？

てゆーか

和也と大ちゃんと櫻井くんが不思議そうな顔して

こっち見てるけど？

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潤「あ……俺の部屋行くか」

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腕を掴まれて松本くんの部屋へ

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潤「こないだ受けたオーディション！

受かった！合格だって！」

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部屋に入るなり、松本くんは俺の手を握って

かなり興奮した様子でそう言った

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受かったって事は、モデルになれるの！？

お祝いしないと！！

今夜の夕食のメニューはお赤飯にしてお寿司も出前するか

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雅『おめでとう！

じゃあ約束通り俺はファン１号ね！』

潤「あんたはファン２号。１号は智」

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あ、そうだった

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本当によかった、とは思うけど……。うーん

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雅『正直寂しいかも

売れっ子になったら、松本くんは

遠い世界の人になっちゃうって事だよね？』

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そうなると、顔を合わす機会もめっきり減っちゃうのかな？

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潤「お前、馬鹿だな」

雅「……！」

潤「べっつにモデルデビューしたくらいじゃ何も変わらないし」

雅『本当？』

潤「あぁ」

雅『何も変わらない？』

潤「あぁ。つーか俺は可能なら、ずっとここにいたいし」

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松本くんは可能なら

ずっとここにいるつもりなのかぁ

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じゃあ俺も便乗してずっとここにいようかなぁ

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潤「俺さ、モデルになったら

この雑誌の表紙を飾るのが目標なんだよ」

そう言いながら松本くんは床に積んであったメンズ雑誌を手に取った

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その目標

松本くんならすぐ達成すると思うなぁ

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雅『ねぇ、何でモデルになろうと思ったの？』

潤「えっ！そ、それは……」

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