【黄金の風】絶頂の代わりに幸福を【ディアボロ】

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とりあえず、食器は自分で使いやすいものを選ぶのが一番だと思ったので買わない。重いし。歯ブラシと、歯磨き粉は際どいのでトラベラー用の小さなものをとりあえず。神経質そうなキャラしてるし、潔癖とかだったら多分同じものは使えないから

トラベラー用は便利だ。シャンプーリンスボディーソープ、小さな櫛までセットに入ってて、少し安いものをカゴに入れた。タオルは…自分で見るのがいいかな、とりあえずバスタオルと普通のが一枚ずつセットのやつをカゴへ。服は気持ち大きめのものを上下一着ずつ、それから下着。靴下、キャップとサングラス。とりあえずこれを着てもらって次一緒に買いに来よう。あとはーー

ーー

「…ボス、ご飯買ってきましたよ。食べますか？」

返答がない。少し待ってもう一度声を掛けてみるが、やはり何も聞こえない。「失礼しますね」、と声を掛けて部屋に入ると、ベッドの上で少し身体を丸めながら、辛そうに顔を歪めるボスの姿が目に入った。

ああ、こうなってしまったか。突然の環境の変化と、今までのストレスから、ボスは高熱を出した。先程もしかしたら、と考え、購入しておいた風邪薬を、買ってきたばかりで少し結露のついた水のボトルと一緒に手渡す

「お風呂…は無理かな、ちょっと待っててね」

サンドイッチとパックのサラダ、明日の分までいろいろ買ってきた食べ物を全て冷蔵庫にしまう。ヨーグルトも飲み物も、私が出かける前の状態から変化はなかった。私のほとんど使ってなかった大きめの部屋着シャツ(ネットで買って思った以上にサイズがデカかったやつだ)、それからダボダボのスウェットパンツを空き部屋に放置したままのダンボールの中から引っ張り出し、買ってきた下着類と共に寝室に戻る。

「これに着替えられますか？靴下も良ければ履き替えーー」

言い終わる前に一瞬で見ていた背景が変わった。部屋から追い出された。ちゃんと服は取られて。時まで飛ばして、結構傷つくなあ。諦めて買ってきたものを全て袋から出しておこうと踵を返すと、部屋の中からドタ、とコケるような音がした。大丈夫か。まあ問題ないだろう

「…ご飯食べるかあ」

私の分だけ、冷蔵庫からおにぎりとお気に入りのタコのサラダを取り出す。飲みかけだったアイスティーのボトルも持って、ダイニングテーブルはダメになってしまったから、テレビの前で座椅子に座って食べた。

暫く追ってる他のアニメを見たり、音量小さめで穏やかなゲームをしたりして、時間を潰した。

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