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「ボス……ご飯できましたよ」
ボスはすぐに出てきた。上機嫌に笑いながら返事をすると、私の手を引いてダイニングテーブルの前に移動した
「ああ、A……俺のためにここまでしてくれたのか…?ありがとう。全くお前は素晴らしい女だな」
「ええ〜……いや、そんな…自信ないですけど…」
めちゃくちゃに褒められて私はおかしくなりそうだ。頑張って本当に良かった。クッキーも喜んでくれたらいいな。私はボスに椅子を引かれ、オロオロしながらそこに座る。もうこの人ほんと
「じゃあ……祝、ボスのお部屋…?これからもよろしくお願いします……ディアボロ、さん…。乾杯」
恥ずかしさを押し殺して名前を呼んでみる。ボスは一瞬あっけに取られ、でもすぐに嬉しそうに頷いて乾杯した
「お前のおかげだ……レクイエムから解放され、辿り着いた先がお前の元で良かったと…心の底から思っている。ありがとう、A……食べてもいいか?」
「うっ、は、はい……どうぞ…」
もう昇天しそうな勢いだ。ボスはメインの鶏肉を、フォークとナイフで綺麗に切り分けて一口運んだ。緊張してその様子を見ると、みるみるボスの頬が緩んでいくのを見て 次の言葉を待ち望む
「美味い……本当に。これからも毎日お前の料理が食えると思うと幸せだぞ、オレは」
「そう、です、か……」
ああ、これ以上はもうやめてくれ。私はいたたまれなくなりブルスケッタを口に詰め込んだ。悪くない…美味しいよ……
ボスはそれらを口に運ぶたび美味しい、美味い、と言葉にし、私はそれでかなり心を振り回され なんとか食事を終えたころ、ボスが私を引っ張ってソファに腰掛けた
「な、なんですか……」
「フフ、とても美味かった。ありがとう」
「……嬉しいです」
スルスルと髪を撫でられ、そのまま頭に小さくキスされる。どうしよう、すごく逃げたい。自分の寝室に飛び込んでベッドに顔を埋めてあああああと心のままに叫びたい。悶絶する
「ぼ、ボス……ちょっと待ってて…」
私はボスの手から逃れ、オーブンの上で完全にチョコの固まったそれをお皿に移し、お酒と一緒にソファの前に運ぶ
「あの、イタリアの……お菓子なんですよね…?あんまりこういうの作らないから、自信ないけど…」
「A……」
「え、映画観ませんか……」
受ける視線に耐えきれず、テレビをつけようと立ち上がるが、すぐに見えない力でソファへと押し込められた
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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです!!ディアブロ可愛すぎる…! (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです!頑張ってください! (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しそし | 作成日時:2019年7月8日 20時