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時間が飛んだんだと思う。これが、よくわからないけどこんな不気味なものなのか。理解できるのは私だけなのか?通行人は気付いたりする?ビニールの上に置いてあった靴は消えて、代わりに少しの靴跡を床に残して消えた彼にいろいろ言いたいことができたため(主に土足で歩いたことについて)、彼を追いかけるべく急いで階段を駆け下りて、サンダルへ足を突っ込むと玄関を勢いよく開け放った。ちょうど玄関の目の前を通ろうとした男性がびくりと肩を揺らして、少し気まずそうに歩みを進めるのを横目に、私はすぐ角を曲がった場所へ広がる大通りの前へ走った。居た、彼だ。信号は赤、最悪だ。勢いよく大型の乗用車が彼の立つ横断歩道へと突っ込んでくる

「危ないッ!」

彼にそう叫ぶ。少しこちらへ首を捻って、「ああさっきの、」とでも言いたげな表情を浮かべた後、車は迷いなく彼の元へ突っ込んで___すり抜けた

ギョッとした。はあ、と声が漏れて私はその場にへたり込んだ。そんな私を気味の悪いものでも見るような目で見て、自転車を押したおばさんが早足にその場を去ろうとした。彼は車に轢かれなかった。車がまるで彼の存在などないもののようにすり抜けたのだ。目の前に彼が歩いてきて、止まった。混乱した頭のまましゃがみこんでる私の目線に合わせて屈んだ彼が、じっとりと私を見つめながら一言

「お前、オレに何をした?」

ーー

通行人は彼の姿が見えないようだった。車や自転車も彼を認識することができず、ぶつかってもすり抜けるだけで何も起こらない。ただ、私だけ。彼が見え、触れられ、そして喋れる存在は。

「その……スタンドというもので、私があなたに何らかの影響を及ぼし、自身への攻撃を中断させたのではないかと」

「ああ」

「そのスタンドって……」

今も出しているらしいのだが、キング・クリムゾン。見えない。クソ……見たかったのに、スタンド

「見えないです……見えないんですよね…?」

スタンドはスタンド使いにしか見えない。今もスタンドが出ているのか、どんな風に動いているのか、それを知るすべがない私はなんとなく彼の目を見るしかなかった

「うーん……」

突然当たった宝くじ。これか。逆トリだ。うん。こういうのって突然口座に大金振り込まれるパターンのやつじゃないんだ。確かに考えてみればあれって押し貸し詐欺だし、口座に振り込まれてた心当たりのない大金は勝手に使ったら犯罪だって……そうじゃなくて

「ここに住みませんか、じゃあ」

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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです!!ディアブロ可愛すぎる…! (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです!頑張ってください! (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しそし | 作成日時:2019年7月8日 20時

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