40 ページ40
「全部綺麗ですね、私より上手い……書きにくいとか違いがわからないとかありますか？」
「……え、の文字が少しな」
「ちょっと書いてみてもらえます？」
小学生用の漢字練習帳にえ、の文字を何度か書かせてみる。下がる時に少し力を加え過ぎているようなので、そこを指摘して少し速く書いてみるようにアドバイスする
「あんまりゆっくり丁寧に書こうとしすぎても逆に震えちゃいませんか？ちょっと力抜いてゆるーく書いてみてください。何回やってもいいので書きやすいように試してもらって…」
「ふむ……」
ボスは上達が早かった。教えた通りのことがすぐに出来るし、そもそも教えるべきことが少なすぎる。その後も特に問題はなく、引っかかったところといえば『な』と『ふ』、それから『む』、くらいなものだっただろうか。たった半日で、ボスは平仮名をマスターした
「スマホのキーボードでは表記が違うものがあるようだが？」
「そうですね、切らずに繋がってるものもあると思いますが違いはないです。でも見てれば多分慣れますよ。それにしても本当にすごいなあ……」
私が適当に読み上げた単語を平仮名で書く、という形で、ボスの実力を試したが……結果は満点。全て完璧に、私も読めるような字で書かれていた
「Aの教え方が良いのだ。この本も分かりやすい」
「私何も教えてないじゃないですか……本が凄いんだ…」
やっぱり読めるというアドバンテージがあると違うものなのだろうか。なぜ私にはイタリア語が読めないのだろう。そんな特典あってもいいのに、スピリチュアル的に偉い人。
「毎日書いて忘れないようにしましょうね、さっきの読み上げた奴を書き出すテストもやりましょう。手紙でも書き合います？」
「手紙か、面白い。いいだろう」
「ふふ、じゃあ今度は私も教えてもらえますか？」
「ああ、もちろんだ」
私も同じようにイタリア語を教えてもらった。読んでも意味がすんなり理解できない分、そりゃあボスより時間はかかるけど、二人で昨日買ったアイスを食べて休憩したり、勉強しあった言語でお礼の言葉を書いたりして、とても充実したように思える1日だった
ーー
それから2日間。寝る前と朝起きてからは必ず頬にキスをし合うのが習慣になった。私は恥ずかしさは消えてちょっとにやけるようになった。ボスはカタカナに挑戦中だ。そしてとうとうあの日がやってきた…そう、ずっと我々が待ち望んでいた物が届くのだ！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 100人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (
レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです！！ディアブロ可愛すぎる…！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです！頑張ってください！ (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しそし | 作成日時：2019年7月8日 20時
