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「ボス、今からお昼の買い物に行くと結構遅くなっちゃうから外に食べに行こうかなって思ってるんだけど……何が食べたい?夕飯の買い物も帰りにしたい」
「外食か、お前の好きな店に行こう」
好きな店、と言われても。そう イタリア人のように行きつけの店なんて見つかる訳ではないのでサイゼリヤに行くことにした。サイゼは安いし美味しいから好きだ。モノホンのイタリア人の口に合うかはわからないけれど、ガストやバーミヤンに行くよりは、まず久々のイタリア料理を食べさせてあげたかった。
うちの一番近くにあるファミレスをスルーして、駅前のショッピングモールまでバスで向かうことにした。最寄りのバス停にはあと15分ほどで次のバスが来るようだったし、丁度いい
バス、という単語を耳にすると、ボスは少し怪訝そうな表情を見せた
「…バスで行くのか?徒歩の方が確実だろう」
「えー!もう疲れちゃいましたよ……いや…だってちょっと遠いし、帰りも荷物あるから歩きたくないなあって…」
「……」
ボスは私に気を使っているのか、それ以上何も言わずに、少し苦い顔をしたまま、渋々再び外出の準備をした。ボス、バスに嫌な思い出でもあるのかな、悪いことしちゃったかな。もしかしてレクイエム中に轢き殺されたとか?
「ほら、出るぞ」
「うん……大丈夫だった?やっぱり徒歩かタクシーにする?」
「いや……構わん」
手を握られて、そのまま外へ出る。何度目かの手繋ぎだが、やはりボスの手は少し冷たい。それをなんとか温めたくて、私も冷え性のくせにぎゅっと強く手を握った。
「…?何をしている」
「いや……温めたくて…」
言ったところで、はっとする。今のは流石にちょっと言動が子供すぎないか?ボスの方を見ると、ちょっとだけ顔を背けながら、少しプルプルとマスクの下を震わせていた
「ちょっと……だってボスの手が冷たくて…」
「嫌か?」
「全然」
かなりの即答だった。速さに自分でも恥ずかしくなる。ボスはちょっと静かになって、そのあとサングラスの奥で少し目を細めた。ような気がした
「…オレもお前の手は嫌ではないぞ」
「……ほんと?じゃあずっと繋いでる…?」
返事の代わりに、向こうからも少し握る力を込められる。くだらないかもしれないけど、なんというか、こういう時間がすごい楽しくて嬉しいと感じられた
その後バスは、2分ほど遅れたがちゃんと時刻通りに来た。そしてボスはそれにかなり驚いていた。なるほどねー
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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです!!ディアブロ可愛すぎる…! (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです!頑張ってください! (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しそし | 作成日時:2019年7月8日 20時