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「スマホ…まずSIM入れないと。設定終わったら番号登録しましょう。説明書…」

「オレがやる」

ひょい、と説明書とSIMカードを取り上げられ、薄いビニールを剥がして中からスマホを取り出すボス。格安だとiPhoneは古くて画面の小さいものしかないし、Androidにした。真っ赤に艶めく大きなサイズのAndroidスマホは、ボスのイメージとぴったりマッチしている。ケースは付属で透明な柔らかいタイプのものが入っていたので、とりあえずフィルムを貼ってそれを装着した

「持ちにくいとかないですか?ストラップとかつけます?」

「いや…問題ないな。なかなか使い勝手がいい」

結構重いはずなのだが、ボスの逞しいモリモリ筋肉の前では何も問題ないらしい。落下防止のストラップも、多分落ちそうになった途端キンクリでなんとかできるだろうし必要なさそうだ

「設定やっててください、ちょっと片付けます」

買ってきた食材類を冷蔵庫にしまって、ボスの服を丁寧に畳んだ。衣装ケースが届くまでにクローゼットに直置きもなんなので、百均で購入してきた吊り下げ式の収納ホルダーに下着や最低限の服を入れて、あとはしばらく袋に戻してしまう事にしよう。
そう考えた私は、後のボスの部屋、現私の寝室の割れたドアを開くと、腰を抜かす勢いでたまげた

「ぼ、ボス……ボス!ちょっと!」

プルプルと指先を震わせながら慎重にSIMをセットしようとするボスを、慌てて呼び出し、どうなっているのか説明を求めると、「ああ、移動させておいたぞ」と一言。いや、待ってくれ

「このドアはオレが壊してしまったからな、しばらくは不便だろう。だからオレがこの部屋を使おう。それからーーすまなかった」

するり。と、見えないその手が私の首元に触れ、ゆっくりと撫ぜる

ビックリして動けないでいる私の横を、そのままスッと通り過ぎてリビングへ戻っていってしまったボス。ドアについてか、テーブルについてか、私の首を絞めた事に対してか。ボスの小さな謝罪に、ニヤける顔が止められない

「ぼ、ボス…ボス!へへ、向こうの部屋どんな感じにしたんですか?」

によによ笑いながらボスの背中を追いかける。買った服を片すのも忘れながら、私は機嫌よくボスの後をつけた

少し照れたようにしたボスが、その敬語もやめろ、と言うのを聞いて、もはや黄色い声を抑えるのに必死な私は、うん、と一言だけの返事を返した。その声もまあ、尻上がりになってしまうのも仕方のない事だろう

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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます!! (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです!!ディアブロ可愛すぎる…! (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです!頑張ってください! (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しそし | 作成日時:2019年7月8日 20時

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