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「…すぐに行く」
『お願いします〜』
驚いた。他人との干渉がまさか可能とは思っていなかったため、ダメ元で出した声がまさか届いていたとは。女が昨日買ってきたという帽子とサングラスをかけて、階段を降りる
「こんにちは、こちらAmazonさんからのお届けものですね、印鑑お願いします」
こちらの様子はちらりとも伺うことなく、何か文字がびっしりと書かれた紙だけを手元に差し出す男。印鑑…が必要だとは思っていなかったため、どうすれば良いものかと一瞬紙を受け取るのを躊躇うと、男が胸ポケットからペンを取り出し、こちらに差し出した。その際ようやくオレの格好に気がついたようで、少し目を見開いたがすぐに逸らし、オレが拙くA、と届け先の書かれた紙を手本に奴の苗字を書き終えるのを待つと、台車に積んでいた大きな箱を玄関の内側へと運び込んだ。どうやらこの空間にいる間であれば他人との干渉が可能となるらしいな。これからはオレ1人でも宅配の受け取りが可能ということだ。もっとも、自分より年下の女におんぶに抱っこということでは少々癪に障る。
「ありがとうございましたー」
「……」
ガチャリ、とドアが閉められ、オレは鍵を掛け『キング・クリムゾン』でその大きな箱を持ち上げると、二階へと運び込んだ。一体何を購入したのかと気になり、商品名の書かれたシールを覗き見ると、ダイニングテーブル、と表示されているのを見て、ああ、オレが壊してしまったものの代わりか。と納得した。つい昨日壊してしまったばかりだったが、もう新しいものが届くとはな。この時代…いやこの世界には驚かされてばかりだ
おそらく部屋の隅に分けられたビニールが置いてあることから、この品物も同様に組み立てが必要なのだろう。女1人でこの大きさの家具は少々大変だろうかーー
「フン……オレも随分、落ちぶれたものだ」
自嘲気味な笑いをこぼす。オレから全てを奪ったあの憎きジョルノ・ジョバァーナに、キッカケを作り出した忌々しい娘に、消化しようのない悔しさと歯痒さを抱えながら、キング・クリムゾンを使いダイニングテーブルとチェアーのセットを組み立て、元のテーブルのあった位置に並べた。以前より少し大きいもののようだ。あの女め、いらん気遣いばかりする
「早く帰ってこい……貸し借りは早々に無くすのが一番なのだ」
ソワソワと居心地が悪くなり、オレは女が帰ってくるまでに部屋の掃除を行うことにした
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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (
レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです！！ディアブロ可愛すぎる…！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです！頑張ってください！ (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しそし | 作成日時：2019年7月8日 20時
