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つい最近、宝くじが当たったのだ。なんと素晴らしいことだろうか。
1等だった。年末の大きい奴だ。これまでの人生、良くも悪くもなかったような、ただただ年月だけ重ねたような、何もない人生を送ってきたような気がする。年末に向けての掃除の為の買い物やらで少し疲労しながらの帰り道、たまたま小さな宝くじの売り場を見つけた。人通りはそれなりに多かったが、誰も並んでいないのが逆に目を惹いて、ちょっとした好奇心というやつで成人して初めて宝くじを購入したのだ。まさかこれが人生最後になるとも知らずに。
結果は一等だった。そう、7億円だ。悪いことはしてこなかったが逆に良いこともしてこなかったような私に、こんな幸運が訪れても良かったのだろうかと。まあそんなこと一ミリも思ってないけど、とにかく興奮を抑えるので必死だった。何度も何度も通帳を見返しては布団の上で暴れまくった。会社でもテンションが上がってしまうのを抑えるのに必死すぎてマスクが常備になった。頬が緩むのを止められない。ただ夜道を歩けばいつ刺し殺されるかと不安になったものだが、自意識過剰だった。
そんな日々を送っていたのが数ヶ月前。かなりマヌケに浮かれていた割に、当選証明書をしっかりと発行しておいた私は税務署を黙らせ、やっぱりそのあとどこから聞きつけられるかもわからないからアパートを遠くのちょっと広いところに引っ越し、その後で会社を辞めて、今後についてのお金の計算を何度も何度も繰り返した後、晴れてこれからハッピーで健康な毎日を送る事に決心のついた私が、先程！
「はああッ！！あああああ！！あ！！誰ええええ！！」
自分でもよくこんな声出せたなと思うよ。いきなり部屋のドアを物凄い勢いで内側から蹴破ってリビングへ突入してきた不審者(仮)へ、読んでいたハリーポッターを全力で投球した私の反射速度といったらまあ、褒めて欲しいものだった
打ち所が悪かったのか、そのまま後ろにばたりと倒れたその人物は意識を失っているようで、本の角がぶつけられた額からはツゥ、と赤い血が流れ出た。そのまま床を汚さんと垂れてくるために急いでテーブルの上からティッシュを引っこ抜いて、それを力強くおでこに押し当てる。強盗に対しての心当たりがありすぎる。いやほんと、まさか本当に来るとは。
そんな感じで警察に、とは簡単にいかないのが人生だ。ものすごく既視感のあるその人物の処遇を、決めるのは警察ではないと。愚かにも私はそう考えた
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twelve(プロフ) - 滅茶苦茶ぶっ刺さりました。大好きです。 (2019年8月3日 1時) (
レス) id: 3b57c71271 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 更新ありがとうございます！！ (2019年7月17日 21時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
メイム(プロフ) - 凄く面白いです！！ディアブロ可愛すぎる…！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: 89648f6823 (このIDを非表示/違反報告)
味噌鯖 - 面白いしボスも夢主も可愛くて大好きです！頑張ってください！ (2019年7月12日 22時) (レス) id: f633d0accd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しそし | 作成日時：2019年7月8日 20時
