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34話 ページ36

『...るぅと』



そう呟くと、彼はゆっくり上半身を起こして
私の目の前で手を差し出した。



「...帰るよ」



少し真剣な彼の表情に、たじろぎ
俯いた。



『でも、私なんか』



「...なんでAが家を飛び出したのか僕まだ知らないけど、みんな心配してるよ」



るぅとがなーくんに連絡したのか、
通知は止まっていた。



それでも動こうとしない私に、
彼はしゃがみこんで手を握った。



「僕たちはAの味方だよ、大丈夫」



安心させるように少し微笑むるぅとが
どこか苦しげに見えて口元をぎゅっと噤んだ。



そんな顔させたいんじゃないんだ

ごめんね



と言いたいものの出たのは
小さいうん、という言葉だけだった。



風に揺られ顔にかかった私の髪を彼は
耳にかけると、両手を優しくもった。



「...帰ろっか」







人のいない暗い道を2人で歩いた。


話すこともなくただ無言で
涼しい風に揺られた。





「みんなリビングにいるよ。」


るぅとに手を引かれるまま、ドアが開けられた。


莉犬以外のメンバーがそこにはいて
ころちゃんが無言で近づいてきた。

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藤雪(プロフ) - あ、めっちゃ好きです。はい。すみません語彙力消え失せました。続き楽しみに待ってます。 (2020年7月29日 0時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
ひなた(2せい) - ううぅ・・・切ない。 (2019年8月23日 17時) (レス) id: 0ed3f31115 (このIDを非表示/違反報告)
運子 - 気持ち悪い画像を想像したら。。。( ・_・)これからもがんばってください! (2019年8月11日 1時) (レス) id: 794c83e2e4 (このIDを非表示/違反報告)
ろっと - 更新楽しみに待ってまーす 気持ち悪い画像が分からなくて自分のバかさが。。。。。。教えて (2019年1月12日 17時) (レス) id: 9921b601f6 (このIDを非表示/違反報告)
まーぬ - めっちゃ続き気になります(´;ω;`)待ってます!更新頑張ってください! (2018年12月16日 7時) (レス) id: 57db06edbf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シルア | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年9月2日 3時

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