私の居場所【すとぷり】

16話 ページ17

着替え終わり、ちらりと試着室から顔を出すとさとみくんが女の子たちに話しかけられていた。


女の子は私を見るなりそそくさと去っていき、さとみくんはこちらを振り向いた。


『どうかな･･･』


そう言ってくるりと一回転して彼の顔をみると手で口元を隠していた。


「･･･かわいい」


さとみくんの顔が赤いのを見てこちらも恥ずかしくなり、すぐ試着室に引っ込んだ。






お会計を済ましてお店を出ると、
袋を手に下げた莉犬を見つけた。


『莉犬！』


「あっいたいた！さとみくんいい歳して迷子とかやめてよね」


「俺のせいなの！？」


「さとみくんのせい！

･･･あ、そうそう！これAにあげる！」


そう言って莉犬が手渡してきたのは
鮮やかな赤いリボンの巻かれた白いの小箱だった。

開けてもいい？と聞くと快く莉犬は許してくれたのでリボンを解いて、箱の蓋を開けた。


中には赤いリボンにパールがついたイヤリングだった。


『わあ･･･！かわいい！』


「Aに似合うと思って買ったの！」


「おい莉犬！抜け駆けは許さんぞ！」


「知らないし！！」


莉犬に礼を言うと彼は照れたように笑い、
どういたしまして！と微笑んだ。








「莉犬ずるい」


「だってA、赤入ってるものあんま持ってないんだもん」


「･･･そうなるとシナモ○って青系だよな。」


「･･･ころちゃんゆるさない」


謎に対抗心を燃やすさとみと莉犬なのであった。

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