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「だったら、すぐに助けに行かないといけないですね」
そう言った小野田くんにダメだと言う巻島先輩。
小野田くんは4人が無理なら自分ひとりで行くと言った。
でも巻島先輩は田所先輩は集団の後ろまで下がっている可能性がある。
そこから戻って来れるという確証があるのかと言う巻島先輩に、それでも行かせてもらえないでしょうか小野田くんは言った。
それでも平坦の多いこの道で、小野田くんが田所先輩を引いて追いつける可能性は無いって・・・。
だったら・・・。
「私も、小野田くんと一緒に待ちます・・・」
「姫・・・。気持ちは分かるっショ。だが俺らより体力がない姫を残すわけにはいかない。・・・・あんな想い、もう勘弁っショ」
「巻島先輩は、今最善だと思える判断をした・・・違いますか・・・?」
そう言うと、巻島先輩はぐっと唇を噛み締めている。
「小野田くんが平坦に弱いと言うなら私だけでも残りたいです・・・。でも、私は弱くて、誰かが前を走ってくれていないと何も出来ません・・・。田所先輩と会えても、私だけでは何も出来ない・・・。でも、小野田くんが、いてくれたら、私はみんなの為に力を使えます・・・っ」
必死に訴えると巻島先輩が苦しそうな表情で私を見る。
昨日のこともあるんだと思う。
昨日、私が追いついたことを知った先輩は、震えていて、苦しんでいた。
だからこそ、先輩には信じてほしいんだ。
「必ず、田所先輩と小野田くんと、3人で戻ってきますから。それが私にとっての最善です。信じてください・・・」
「・・・・っ。く・・・っ。姫、小野田・・・。行けっショ!」
「「はいっ」」
私は小野田くんと一緒にブレーキをかけて減速しながら巻島先輩と鳴子くんを見送った。
ロードレースでは逆走はしてはいけない。
だから、私たちは立ち止まるしか出来ない。
田所先輩が、少しずつでも進んでくれていたら合流が出来るけど、立ち止まっていたなら二度と会うことは出来ないんだ。
私と小野田くんは、田所先輩を信じて待つしかないけど、小野田くんも私も信じてるんだ。
私たちは後方に視線を向けて、必ず会えると信じて田所先輩を待った。
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瑠璃色の夢(プロフ) - ダリアさん» 嬉しい感想ありがとうございます^^メロメロ・・・なんて素敵なお言葉でしょう(嬉)そしていつも温かいお言葉とても励みになります。今後も頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月24日 19時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
ダリア - 姫ちゃんはどうなってしまうのか、次回が気になっちゃいます!荒北さんの誤解がとけて良かったです♪皆さん姫ちゃんにメロメロですね!更新頑張って下さい*^^* (2019年12月24日 12時) (レス) id: 7c4b8b3529 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - Mayuさん» 嬉しいコメントありがとうございます^^大好きと言っていただけてとても励みになります♪今後も頑張りますのでよろしくお願いいたします(*^^*) (2019年12月17日 2時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
Mayu(プロフ) - 第9期,お疲れ様でした!瑠璃さんの作品,大好きです!これからも頑張って下さい。応援してます! (2019年12月16日 15時) (レス) id: bf6e64c20c (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃色の夢(プロフ) - ふたばさん» ありがとうございます^^ゆっくり構想を練りたいと思います。いつも励みになっております(*^^*) (2019年12月16日 4時) (レス) id: d25e595259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠璃色の夢 | 作成日時:2019年10月7日 6時