人案内も他生の縁 ページ10
折原臨也は、驚いていた。
先刻のネットの記事に対してもそうだが──今は、そんなことは比ではないくらいに。
──本当、俺は偶然に恵まれてるねぇ。
そう、偶然。
前も述べたが、これは、本当に偶然の重なりから起きたものだったのだ。
誰の手も加わっていない。何故なら、いつも手を加える側である
臨也の目の前には、先程案内した少女──もとい、ついさっきまで見ていた記事に出ていた人物がそこにいた。
「あなたは……先程の」
どうやら少女も臨也のことを覚えていたらしく、小さな声で呟く。
「やあ! まさか道案内……っていうより人案内かな? とにかく池袋の街中で偶然案内した女の子が、偶然同じホテルに来てただなんて! 凄いね、ホントこれ奇跡じゃない?」
「そうですね! ……案内して下さった件は、有難うございました。私、池袋にきたばかりで。1年間、このホテルに泊まることになってるんですけれど」
臨也はその時点で気付いていた。
このホテルの最上階は全室がスイートルームであり────
そしてそのスイートルームに1年間も住もうとしている、中学生か高校生か……それ程の年齢でしかないであろうこの少女は、恐らく『普通の女の子』なんかじゃない事を。
──まあ、それに関しては俺も他人のことは言えないか。
心中で肩を竦めながら、臨也は続ける。
「いいよいいよ。俺殆ど案内もしてないしね? ……そうだ、俺も結構長い間このホテルにいるつもりだし、自己紹介でもしようか。俺の名前は折原臨也! 池袋の街で情報屋なんてものをやってるよ」
最後のは言おうか否か一瞬迷った臨也だが、少女からやはり『普通ではない』空気を感じ取ったことから、言っておいた方が
もっとも、そんな空気は、臨也のような特殊な人にしか分からない微々たるものなのだが。
臨也が一通り自己紹介を終えると、少女はほんの少しだけ動揺したように苦笑した。
「偶然ってホント、恐ろしいですね」
「?」
少女の発言の意味が解らず、それはどういうことかと尋ねようとした臨也だったが──その前に、少女が口を開いた。
「私の名前は宮園A。九州で情報屋なんてものをやってます」
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Sora@白楽(プロフ) - せかすとさん» ありがとう!(嬉泣)頑張るよ……頑張るね……! (2017年7月23日 19時) (レス) id: 3aa4930c25 (このIDを非表示/違反報告)
せかすと(プロフ) - いつまでも待ってますぜ! (2017年7月18日 23時) (レス) id: 10c3da28dd (このIDを非表示/違反報告)
Sora@白楽(プロフ) - Ruri ∞ 瑠偉。さん» え!? ありがとうございます! そんな事言われたの初めてです( *´艸`) 頑張りますね! (2017年5月31日 20時) (レス) id: 3aa4930c25 (このIDを非表示/違反報告)
Ruri ∞ 瑠偉。(プロフ) - お気に入り失礼します´`* (2017年5月31日 19時) (レス) id: 4bea85aa40 (このIDを非表示/違反報告)
Ruri ∞ 瑠偉。(プロフ) - 改行の仕方がお上手で、キャラの個性がはっきりしてます´`* 尊敬します!更新頑張ってください! (2017年5月31日 19時) (レス) id: 4bea85aa40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sora@白楽 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/soranana/
作成日時:2017年4月24日 17時