拾漆 ページ19
*
「Aとの御出掛けなんて行かない訳にはいきませんわ」
其れが世界の常識だと云わんばかりに堂々と云い放つ。
『否、御出掛けじゃ無くて購い出しなんだけど…』
「まぁ。何方も変わらないじゃありませんか」
『大分違うと思う』
最初に
等と疾くも計画を立て始めた姉様を見て溜息を吐く。
『と、兎に角姉様。私が行くのは只の購い出しであって、御出掛けじゃ無いから』
「購い出しでも御出掛けでも、絶対に一緒に行きますわ！」
『で、でも御出掛けなら又今度に＿＿』
「そう云って何時も一緒に行って呉れ無いじゃありませんか」
腰に手を当て、頬を膨らませ乍ら中々食い下がらない姉様。
慥かに私は姉様との御出掛けは何時も断っている。
だって姉様と並ぶと凄く注目を浴びるから。
綺麗な容姿をしている姉様はよく道行く人の視線を集める。
そうすれば必然的に隣を歩く私も見られるもので。
そんな事したら何でお前何かが隣を歩いているのだと思われるに違いない。
否、自分でもそんな事は分かっているのだから今更気にしないけど。
実際其の空想が現実になって仕舞ったら、と思ったら如何しても気が引ける。
「行くと云ったら行くんです！」
『だから姉様＿＿』
「ナオミちゃァん？未だ御仕事沢山残っているわよねぇ？」
『ひッ、は、春野さん…？』
子供の様に駄々を捏ね始める姉様を宥めようと口を開いた瞬間。
背後に目が笑っていない笑顔で声を掛ける春野さん。
に、何故か驚く私。
「如何かされましたか？春野さん」
「私達は未だ御仕事終わっていないの判っているわよね？」
「勿論判っていますわ。だからほんの少しの息抜き、ですわ」
「先刻の噺だと直ぐに終わるような感じじゃ無かったみたいだけど」
私の頭上で火花を立て乍ら静かに云い争う二人。
只々怖い。
『ね、姉様！御仕事は確りやらなきゃだ、駄目だよ…？』
怖いけど其の儘にもしておけないので仲裁に入るが怖くて目を合わせられない為、伏し目がち。
「こ、今回はAに免じて諦めますわ。今度は絶対に一緒に御出掛けしますからね！」
『う、うん』
此処迄来て断れない。
今度こそと扉を開けようと姉様とすれ違った時。
「Aは凄く可愛いですわよ」
私の瞳に映ったのは、屹度凡てを見透かしているであろうウインクをした可愛らしい姉様で＿＿
私はそんな事無い、と曖昧に笑って見せた。
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黒蜜おもち - 終わり！？おっおわ……続き、ください。。。 (3月28日 12時) (
レス) @page38 id: b91ecec67d (このIDを非表示/違反報告)
亜美 - 続きをお恵みください… (12月30日 21時) (レス) @page38 id: 5d2aa23f76 (このIDを非表示/違反報告)
山羊のサーカス(プロフ) - 終わり...だと...!?再度更新を願っております...! (11月25日 18時) (レス) @page38 id: 78c8c266f2 (このIDを非表示/違反報告)
かぐや - 終わっちゃった…更新して欲しいです！！お願いします… (9月8日 21時) (レス) @page38 id: 65c95105c4 (このIDを非表示/違反報告)
rai - お、終わり⁉︎是非更新をしてくれることを願って (8月19日 22時) (レス) @page38 id: 67327e3dd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふにゃた | 作成日時：2018年2月18日 19時
