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【Aside】
小さく、強く晋助の下で絶叫する
聴きたくない
聴きたくないのに、
耳に入ってくる言葉が離れない
怖いのか?
晋助から、
……晋助達から向けられている感情と向き合うのが?
分かってるじゃないか
自分が弱いって、不安に駆られているって
弱さを認めているのに、
何をまだそんなに怖がっているんだ
なんで、肩の震えが止まらないんだ
高杉「……俺ァ今酔ってる、
さっきもそう言ったよな」
『!』
高杉「こいつァ酔っ払いの戯れだ、
終わったら忘れろ」
震える自分を他所に、
くいっと猪口の酒を飲み干す晋助
ぺろりと舌なめずりをすると、
ゆっくりと顔を近付けてきた
刹那、触れ合う唇
『……、んん、!……ぅ、』
高杉「…………、」
苦く甘い液体が流れ込んできて、
頬を火照らせる
真っ直ぐと此方を見詰める深緑が擽ったい
でも、突き放す事はしなかった
ただ、今だけはこの温もりに縋っていたかった
『……ふ、……んぅ、……っ』
高杉「……落ち着け、俺ァここに居る」
尚も止まらぬ震えを宥めるよう、
頬を撫で抱き寄せられる
だんだんと全身の力が抜けていき、
分厚く火照った胸板に身を預けた
『……ん、んんっ…………、ぁ、』
高杉「甘ェ、……苦ェ」
はだけた着物の裾から、
晋助の手が入り込んでは太腿を撫でる
強ばっていた肩はいつの間にか緩み、
生理的な涙が視界を滲ませていく
『ふ、……んんッ……、!
し、んすけ……っ、』
高杉「………持たねェな」
桜色が口端から溢れると、
静かに離れていく唇
息苦しさ、困惑、安心、罪悪感、寂しさ
色々な感情がせめぎ合い、俯く
高杉「俺もお前ェも、唯酔ってただけさ
酒のせいにすんのもいい」
『……晋助、自分は』
高杉「悪ぃが、続きの言葉は今聞くつもりは無ェ
聞くのは全部終わった後だ
……その方が俺もてめェもやりやすいだろ
俺ァもう寝る、
ちと飲みすぎたからな」
『っ、』
そう言うと、自分を腕に抱いたまま瞳を閉じる晋助
……続きの言葉、
もし、晋助に遮られていなかったら
自分は何と言っていたんだろう
晋助の気持ちに、
拒否したか受け取ったかはともかく応えたのか
それとも、また逃げ道を作っていたのか
『…………』
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岬影 - 明けましておめでとう御座います。。これからも頑張ってください。 (2023年1月1日 8時) (レス) @page28 id: c8b8308491 (このIDを非表示/違反報告)
か。(プロフ) - 村瀬さん» ありがとうございます〜!ゆっくり更新していきますので気長にお付き合いください〜 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 15a41b8b93 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬 - バラガキ篇…!更新頑張ってくださいね🤲 (2022年11月13日 12時) (レス) id: 518be6f384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:か。 | 作成日時:2022年11月12日 23時