跳んで歌って舞い上がれ【2】【剣盾】

55 ロンドを　止めないで ページ8

マリィとユウリのバトルは、私たちを熱狂させた。双方のポケモンはスパイクジムで見た頃よりいい顔になっており、勝負の結末を見届けた時は思わず涙を流しそうになった。それほど熱く、ロックなものであった。

　ホップとユウリの戦いの直前にマリィが客席にやって来た。場所は事前に連絡しておいたので、スムーズに来ることができたようだ。私は素直に感動したことを伝えた。マリィは少し照れくさそうに笑っていた。


　そして、決勝のホップ対ユウリのバトルは誰が見ても素晴らしいと答えるだろう。お互いに正々堂々正面からぶつかり合い、同じチャンピオンに推薦された者同士でこの大きなスタジアムに立ったのだ。これをどう言葉にしろと言うのだ。


　スタジアムから去るとき、私はマリィとの話に花を咲かせていた。だって、久し振りに会えたし、ジムの時は長く話せなかったから。ネズは後ろから見守っている。まるでアローラ地方の守り神のようだ。

「マリィ、お疲れ様……！今日は疲れただろうから、明日美味しいもの食べようね！それから私、マリィとも色んな場所回りたい!」
「あたしもネリネと一緒。ポケモンバトルもいいけど、あんたと出かけるのも楽しいからね」

　外に出て空を見上げると橙色と紫色の美しいグラデーションで思わず見惚れてしまった。なんとも神秘的なものである。このままモノレール乗り場に向かおうとしたが、ネズは足を止めた。

「マリィ、ネリネ、先に戻っていてください。呼び出しがあったので。数時間で意地でも帰ってやります」

　スマホを見せて面倒臭そうな顔をしていた。ネズに背中を押され、ロンド•ロゼへの道を進めた。というか誰からの連絡だったんだろう。

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