86 ビーツの黙示録――10 ページ39
皆の視線がポプラさんへと集まる。ここの主導権を握っているのはあの人だ。
私はポプラという人のことをよく知らない。でも、ビートがこれほどまでに信頼を寄せているのならば彼にとって最良の判断をするだろう。それが私にとって良くないことだとしても。きっと今のビートのことを誰よりも理解している。
ポプラさんは何か意味ありげに笑えばビートをしっかりと見つめる。
「あんたがそうしたいなら好きにしな。それじゃあたしは元ジムリーダーとしてスタジアムをきれいにしようかね」
ポプラさんがスタジアムへ向かう時、何かビートに耳打ちをしてから去って行った。私に背を向けるビートの表情は分からなかったが、明らかに体を強ばらせていた。
何を言われたのかな。でもこんな大勢の前で耳打ちするくらいだから重要な話なのは理解できる。なら聞いちゃダメだよね。
「ということなのでネリネ、ネズさん、ホップくん、ユウリさん、よろしくお願いしますね」
「その微塵もよろしくしたくなさそうな顔やめるんだぞビート」
「ぼくの顔がおかしいとでも? 普段通りですよ」
ねぇネリネと名前を呼ぶビートの顔に特に変わったところはない。むしろ自信に満ち溢れている。
「ぼくがいるんです。これは百人力、いや千人力でしょうね」
「オマエ、なんだかんだ言ってたくましいな」
「ビートは昔からまじめだからね。これくらいは当然ってことだよ」
ゆっくりしている場合ではないが、やはり同年代の友だちと話すのは楽しい。ビートといつものように会話を交せることと起因しているのかな。
「きみたち…… おしゃべりするなら紅茶でも用意しますかね?」
ネズの地を這うような低い声で一旦お開きとなる。流石にはしゃぎすぎか。少し反省だ。
「あとはシーソーコンビとやらをふん捕まえるだけですね」
「あいつらをなんとかしないと同じことが起こるかもだもんな!」
ようやくここまで辿り着いた。彼らのすることをこれ以上広げる訳にはいかない。それに私は聞かなくちゃいけない話がある。
気合いを入れ直すように拳をぐっと握ればビートは質問があると声をかけてきた。
「ネリネ、シーソーコンビとは?」
「今回のダイマックスの原因。それと……私の過去を知っているらしい」
そう言えばビートは眉間に皺を寄せた。何か心当たりでもあるのかな。
ビートはもう一度口を開こうとした。しかしそれはユウリのスマホの着信音によって遮られた。
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時