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85 ビーツの黙示録――9 ページ38

「ポプラさんは関係ありません。これはぼくのための戦いです!!
さあ選択肢はひとつ、イエスだけですよ!」

 ビートの言葉にユウリは肯定の意を示す。もう一度ビートが口を開けばそれがバトルの口火となり、双方ボールを投げる。

「二人とも、下がりましょう」

 ネズの言葉でネリネとホップは少し離れたところからビートとユウリの戦いを見守る。
 室内であるのに関わらず、バトルの激しさはスタジアムでのものと変わらない。ネリネはそれに目を奪われていた。洗練された技の出し合い、そして確かに感じるポケモンとの強いきずな。彼の言っていた以上の実力ではないかとネリネは考える。それはユウリも同じであった。強さは拮抗しているかのように見えた。しかし終わりの時はやってくる。




「ありがとうございます。あなたをチャンピオンとようやく認められますよ。
悔しいのですが自分に足りないものがわかりました。
ぼくはもっと強くなりますよ。フェアリータイプを極めますから」

 背を向けて落ち込んでいるように見えたがそうでもなさそうだった。逆に燃えている、そんな風に私は感じた。リーグカードをユウリに半ば押し付けるよう渡せば、今度は隣にいたネズにビートは視線を向ける。

「本当はネズさん、あなたとも手合わせを願いたかったですが、今はあまり時間ががありませんので」
「ホーオ、実はオレもそう思ってたんですよ」

 二人は火花が散っていそうな剣幕で鋭く睨みを利かせ合っている。私の知らない表情を見せる二人に暫しの間怖くなったが気づけば嘘のように無くなった。気の所為、の訳ない。

 ネリネ、と先程とは違う声色でビートは名前を呼び、私の手を取る。その面構えはとても真剣で自然と自分の背筋もピンと伸びる。
 私への要件かと思ったがビートの目線はポプラさんに向けられていた。

「ポプラさん、後でいくらでも仕事はします。クイズも沢山解きます。
だから今はネリネに着いて行かせてください」

 ビートがポプラさんにに頭を下げて頼み事をしている。私には思いもかけないことで口をあんぐりと開けたままビートを見ていた。
 ビートの意図が分からない。確かにビートほどの力を持つトレーナーがいれば十分に安心できる。
 いつだってビートが優先するのは私だ。自惚れなんかじゃない。でも今はジムリーダーという立場があり、たくさんのものを抱えている。

 それなのに私を重んじてくれたことが何よりも嬉しかった。

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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時

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