76 ビーツへの手紙* ページ29
初めにぼくだけが知っていることをここに書き留めておこうと思う。ぼくが受け取った手紙は誰にも見られてはならないし、話してはならない。他人が知るには重すぎるのだ。ぼく自身のこともそうだが、何よりネリネの持つ暗鬱な生い立ちである。ぼくが知っていて良いのだろうかと思ったが、事情が事情だ。本来彼女が第一に知るべきだが仕方がない。
時は遡りファイナルトーナメントまであと数日、アラベスクジムに一通の手紙が届いた。昼過ぎだというのにも関わらず、ドア付近に人が集まっていた。出入口だから退いておくよう注意しようと思ったが、ここにいるジムトレーナーは皆それくらいの判断はつく。何かおかしいと思った僕は少し、いえ、ほんの少しだけ気になったので垣間見ようと試みた。
この町の幽玄さとは裏腹に異なる雰囲気のあるそれはジムのドアに挟まっていたらしく、どこか異質なものだった。ポプラさんの手にある手紙には差し出し人は書いておらず、どこから送られてきたか分からない。コトさんも他のジムトレーナーの方々も全く検討がついていないようだったが、ぼくには見覚えがあった。封筒には一つの円の中に八つの円、そして中心にもう一つ円の判が押されている。幼少期に嫌でも見たあの施設のマークだ。ぼくとしてはもうあそことは関わりたくないし、無視して引き返そうとした。
「ビート、あんた何か知ってるのかい？」
ポプラさんの凛とした声が空気を振動させ、ぼくの鼓膜まで届く。ポプラさんのその一言で僕はここにいる全ての人の視線を受けたのだ。
あのバアさんはやけに勘がいい。動揺する素振りも見せなかったし、誰にも何も感じ取られていない。ただ気になっただけだと思うはずだろう。
「なぜそう思うんです？」
振り返ってポプラさんの目を見て尋ねる。少し考える所作を見せたと思えば、当然のようにぼくにこう言い返すのだ。
「あたしの勘だよ」
あんたがここに来てからずっと見ているのだからちょっとした異変にも気づくに決まってる、と反論されてしまえばぼくも黙るしかない。
ポプラさんが皆に解散を呼びかけジムから去る際、ぼくにだけど聞こえるように囁いた。
「ほらお受け取り。このご時世、手紙でやり取りなんて何かあるんじゃないのかい？それを無下にするなんてことしちゃいけないよ」
その後ぼくは自室に戻って開封して中を読み、言葉を失うのであった。送り主は幼少期ネリネとぼくをよく気にかけていたアキという女性だった。
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (
レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます？ (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか？ (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼＆銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です！ 1210-0027-9994-1592です！！このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます！！ (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伊万里 | 作成日時：2020年3月6日 9時
