73 勝負の時間よ 終わらないで* ページ26
二人がホテルに向かう間、ビートは頑として腕を離そうとしなかった。もちろん指を絡めるのも忘れずに。オトスパスのたこがためのように少しずつネリネの自由が奪われているようだった。彼女自身ボディタッチが多いなと感じていたが、ビートの気持ちを案じてそのまま受け入れた。
シュートシティの観覧車とブラックナイトが川の水面に映っている。ネリネはそれをじっと見ていた。なぜこんなに心が惹かれるのだろうか。生まれてこの方、ブラックナイトなんて恐ろしいものを目にしたことがない。真っ暗な空に手を伸ばしたが、掴んだものは何も無い。虚無感だけが残っていた。妖精は一瞬だけ視線を走らせたが、黙り込んでいた。
建物の影で表情は隠れ、何も見えなかった。
ガラルの夜は長い。
▽
ネリネをホテルへ送っていった後、ビートは連絡を受け、ひどく名残惜しそうな表情を浮かべた後、何処かへ向かっていた。
後日聞いたことだが、ジムリーダーは街の避難指示に当たっていたらしい。彼らには頭が下がる思いでいっぱいである。
また、ユウリとホップはナックルスタジアムでブラックナイト、もといムゲンダイナと対峙していたらしい。まさか知り合いがガラルを救うなんてネリネも考えやしなかったため、話を耳にした時は非常に驚いていた。この危機的状況を跳ね除けてくれたことには感謝の意を示しているが、もう少し彼ら自身の身を案じてほしい、と同時に思った。二人が強いとはいえ、まだまだ若い、未来がある子どもだからだ。何はともあれ無事で良かった、とネリネは胸を撫で下ろした。
あれから三日が経った。
ガラルを救った少女が、シュートスタジアムの中心でチャンピオンに真っ向から立ち向かっている。その横顔は勇ましく、豪胆だ。彼女が今年トレーナーになったところだとは誰も思うまい。双眸の交わし合い。双方のポケモンの技が撥ねる。二人の熱と観客の熱烈な応援のエネルギーにより、会場はオーバーヒート寸前だ。ネリネはビートとマリィと共に観戦している。ビートがネリネを誘ったものの、お目付け役としてネズがマリィを派遣させていた。ビートは面白くないと思ったが、ネリネがいるので受け入れた。
視線を戦場に向けると、激しい戦いが繰り広げられている。
そして決戦の末、スタジアムに立っていたのは、ユウリのパートナーだった。
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時