71 まほうのこなが無くたって ページ24
「今おれとマリィは噴水広場にいます。ネリネは大方彼と一緒なんでしょう。そして先程述べた通り、おれたちが合流するのは不可能です。もう夜も更けてます。おまえを一人で帰らせる訳にも行きません。だから彼と共にロンド・ロゼに戻ってきてください」
癪ですが、と付け加えるネズは本当に嫌そうだ。いつものネズなら結論をぱぱっと言ってくれるが、今回はやけに言い訳がましい。なんというか、ネズらしくない。そんなに信用ないかなぁ。
近くに着いたら連絡しろと語気を強めて何度も(特にマリィが言っていた)言われて通話を切り、さっきからずっと私を見ているであろうビートに視線を向けた。しかし、私がそっちに向いた途端に顔を背けてしまった。少し前まで私を見ていたはずなのに、一向に目を合わせてくれない。それどころか私が話かけてもなんだか素っ気ない。
何度が声をかけるとぼそぼそ話し出した。何を言っているのか全く聞き取れない。ようやく声が届いた時、ビートは顔を真っ赤にして叫んでいた。
「だから! ぼくと一緒にいるんだから他の人のこと、あんまり考えないでほしいんだけど!」
しまった、という表情をビートが見せた途端、なんだか私も恥ずかしくなってきた。周りには私たちのように帰路についている人がほとんどだ。それにビートはガラルでも有名人だ。先程までトーナメントに顔を出していたため、人々の脳裏に焼き付いたはず。その彼がいきなり大きな声を出して顔をカジッチュのように赤く染めていると、嫌でも視界に入るだろう。その所為か街ゆく人が私たちをじろじろと見ている。
「__っ! ネリネ! 行きますよ!」
刹那、ビートに手を掴まれ、アコーディオンの音色とタップダンスの音が鳴り響き、店の温かな光が漏れるシュートシティの街並みに私たちは迷い込んだ。
「ビート、急に大声出して、どうしたの……?」
近くにベンチがあったからそこに座って息を整えながら気になったことを尋ねる。ビートを隣に腰掛けるよう促すと渋々話し始めた。
「ネリネがさっき通話していた相手、ネズさんでしょう? ぼくはネリネがネズさんとどのような話をしていたか知りませんが、今はぼくだけのことを見ていてほしいんです。ネリネの時間を少しの間でいいから独占したいんだよ」
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時