跳んで歌って舞い上がれ【2】【剣盾】

70 気づいて マイスウィーティー ページ23

まさか、先日の出来事は全てこれに繋がっていたと言うのだろうか？1000年先の話、ダンデさんが承認しなかった、というローズ委員長の発言を踏まえて考えると辻褄が合う。それに、ブラックナイトは一度ガラルを滅ぼしかけている。あれ、何で私、二度と起こしてはいけないって思ったんだろう。まるで昔から知っているような＿＿

「ネリネ！聞いてます？」
「え？何？ごめんなんて？」

　彼の言葉にそう返すとため息をつかれた。なんだ失礼だな。あぁそっか。今日はもうチャンピオンマッチが行われないんだ。正体不明のエネルギーが噴射されたため、今は座席ごとにアナウンスに従ってスタジアムから離れる、ということだ。

　ビートに腕を引かれ、出口に向かう。今はビートの支えが非常に有難かった。今日は何だか可笑しい。早く帰ろう。

「あ、ネズに連絡してない……」

　その時、私はスマホの存在を思い出したのだ。バッグの中から取り出すと長い間放置したままだったためか、ロトムがちょっぴり不機嫌だ。メッセージアプリの通知が大変なことになっている。送り主はネズとマリィがほとんどだ。折り返し電話しないといけない。このような状況になってしまったのだから仕方がない。どのような言葉も受け入れよう。

「ッ＿＿、馬鹿野郎お前なんで連絡しねぇんだよ！」
「ご、ごめん」

　そうだよね、すぐ行くって言ったのになかなか帰ってこない。その上に連絡もしない。私ほんとダメなヤツじゃん……

「何があったは聞かないでおく。だが、今度は何があっても連絡しろ。ただでさえこの状況で合流しにくいんですから。次やったら一生タチフサグマをもふもふさせねぇから」

「大変申し訳ございませんでしたもう二度としませんどうかお慈悲を」

　ノンブレスで私は即座に答えた。それは死活問題に関わる。それくらい嫌だ。隣でビートがくつくつと笑っている。おい、失礼だぞ！タチフサグマさん触ったことあるの？ 最高なんだからな？

「誰かと一緒なのか？」

　ビートの声聞こえたっぽいよ、という意味を込めながらにらみつけた。しかし効果はなかったようでニコニコ笑っている。なんでそんな余裕そうなの！ぼうぎょ下がんないじゃん！ まもる貫通？ ビートのことは一旦そのままにして、ネズの質問に応じると、「やっぱりそうですか」と、ため息混じりに話を続けた。

　

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