68 RESTARTED―1* ページ21
時が止まった、というのはまさにこの事だろう。時を止めたの正体は誰も知らない。そういえばシンオウ地方の神話には時を司るポケモンがいる、と以前読んだ書物に記述されていた。名前は、ディアルガ。ディアルガが生まれたことで時間が動き出したとされ、ディアルガの心臓が動くと、時を刻むとも言われている。それになぞらえて表現すると、ディアルガの心臓が止まってしまったということになる。なんてことだ。
そんなことはどうでもいい。今は目の前にいるネリネが最も重要だ。ネリネはまだ、ぼくに背を向けている。ぼくだということに気づいていないのか?というかなぜここにいる? 思うことはたくさんあるが、ぼくはネリネを呼びかけた。
「ねぇ、こっち向いてよネリネ」
彼女の名前を呼ぶとゆっくりと振り返った。こうしてキミと目と目を合わせるのは何年振りだろうか。昔はキミの方が背が高かったのに、いつ間にかぼくが抜いてしまったよ。
「やっと、会えたね」
ネリネの頬にそっと触れて指で撫でる。ポケモンはそのトレーナーによく似ると言うように、今のネリネはイーブイを撫でた時のそれと同じだった。
「む、ビート、くすぐったいよ」
「あ、ごめん」
何気ない、ありふれた会話をするだけでぼくの心は満たされる。なんて単純なヤツなんだ。
キミがいるだけでいいんだ。それだけで、ぼくの人生に彩りが戻ってくる。
「なんかビート丸くなったね」
「はぁ?何を言うんですか。ぼくはころがってないよ」
思ったことをそのまま口に出すとネリネは笑っていた。そっちの方がぼくらしいそうだ。
「ネリネ、ぼくはあなたと会う日をずっと楽しみにしていました」
ぼくはネリネに近づくために足を運ぶ。初めはぼくだって浮かれていたさ。ぼくが願えば大抵のことは叶った。でも、誰もぼく自身を見てくれなかった。ぼくを見てほしかった。寂しかったんだよ。キミのように寄り添ってくれたり、笑顔を見せてくれる人が恋しかったんだ。
「ずっとキミに会いたかった」
後先考えずに行動して、ぼくは人からの信頼を失った時もあった。でも、あの出来事がきっかけで、見つけたものもあった。
それでもぼくにはキミしかいないんだ。たとえ、キミがどんな過去を持っていようとぼくはずっとそばにいるから。ネリネがそうしてくれたように。
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伊万里(プロフ) - 星猫さん» 申し訳ないですが知らないアニメですね。 (2021年4月5日 0時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - トランスフォーマープライムは知ってます? (2021年4月3日 21時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
伊万里(プロフ) - 星猫さん» REBORN、天デ部、アニポケ、ヘタリア、ジョジョ、SideM、ドクストとか色々あります。今パッと思いつくのでこれくらいですが多分もう少しありますね。 (2021年3月27日 21時) (レス) id: 8155f27608 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 伊万里さん» 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月27日 16時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
銀狼&銀狐(プロフ) - 伊万里さん» ポケマスのI.D.です! 1210-0027-9994-1592です!!このI.D.をポケマスで友達検索のところでうってくれれば友達なれます!! (2020年7月15日 18時) (レス) id: d5e2916806 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伊万里 | 作成日時:2020年3月6日 9時