跳んで歌って舞い上がれ【2】【剣盾】

49少しの間だけでもいいだろう？ ページ2

スパイクタウンとナックルシティのジムを突破できたチャレンジャーはターフタウンの時と比べ、両手で数えられるほどになっていた。その中にマリィはもちろん残っている。

あと数日でセミファイナルトーナメントがシュートシティで開催される。そのトーナメントで勝ち残った一人がファイナルトーナメントに参加できる。ファイナルトーナメントにはジムリーダーが参加するのでネズも強制連行だ。
チャンピオン、ダンデへの挑戦権を賭けて、本気のジムリーダーたちが迎え撃つ。


一番良い席を正規で手に入れようと思っていたが、ネズのコネで私も関係者席に入れるらしい。ありがとうネズ。

シュートシティはガラルの北に位置する大きな都市である。何度か仕事で行ったことがあるが、ナックルシティとは異なるタイプの都会である。スパイクタウンからは遠く、いつもとは違い混雑を防ぐためにそらとぶタクシーが利用できない。よって電車で行くことになっている。交通費はポケモンリーグ持ちだ。なんとホテル ロンド・ロゼの宿泊費も出してくれている。

「ネリネ、あと五分でナックルシティ駅に行きますよ。準備は大丈夫ですか」
「うん。向こうで買い物もしたいからお金多めに持ってく」

あの日以来使っていなかったリュックに必要なものを入れた。着替えは先に送っているので問題ない。あとは、ベルトにボールを付けて……忘れ物、ないかな。大丈夫、ちゃんと確認した！

「準備は……良さそうですね。行きますよ」

ネズは扉を開けて私を待っている。お気に入りのラバーソールシューズの紐を結び直し、スパイクタウンに別れを告げた。
***
「わ、結構混んでるね」
「まぁ、皆考えることは同じだからな」

シュートシティ駅行のホームには人が溢れかえっている。皆、生でバトル見たいよね。これ乗れるかなぁ。

「ネリネ、離れるといけません。おれの腕を掴んでいなさい」

腕を差し出されたのでそのままネズにしがみつく。迷子には絶対ならないぞ。


「あれネズじゃね」
「じゃあ隣にいるのはネリネ？」
「マジかよ！オレ、生ネズ生ネリネ初めてだわ」
「何だよその早口言葉みてぇなの。まぁ俺も初めてなんだけどさ。やっぱりあの二人ってできてるんかな」
「さぁな。まぁオレたちが口を挟む事じゃねぇしな」


『間もなく、8番線にシュートシティ行が到着します』

誰かに見られてる気がするけど、ネズは問題なさそうなので別にいいや。とりあえず乗れますように。

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