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A「…4日?5日?だよな…?
そんなに寂しかったの?」
零「……うるせぇな」
おお…いつもの調子だ…と感動し、そのまま落とした水を拾う。
だけど、水を取って顔を上げればそこには口調に似つかわしくない表情があって。
未だに揺れる零の瞳を見てしまって、少しだけ胸が苦しくなったのを感じる。
その動揺をなるべく悟られないように、ひとつ息をついてから面を取った。
喉を潤して落ち着こう。
そう思って水を飲むためキャップを開けようとすると、頬に擽ったい感覚があって、顔を上げた。
零の手がするりと頬を撫でている。
A「……ほんとに大丈夫?何かあったの?」
零「……どこのどいつのせいだよ?」
零は眉を顰めて怒ったように言った。
頬を滑る指が擽ったくてピクっとしてしまう。
赤い瞳が静かに揺れているのを見て、Aは目を伏せた。
……別れ際があんなだったから、仕方のないことだろう。
Aも一方的に言って来てしまったなと香港で反省した。
ばーっと一方的に言うだけ言って行ってしまった。
A「…」
Aは頬に添えられた零の手を取ると、
零「…!」
そのまま引いて零を抱きしめた。
そして数秒間ぎゅっと抱きしめた後、離れた。
面食らったような顔で立ち尽くす零。
抱き締めている最中もずっと固まっていた。
いつもグイグイ行っているからグイグイ来られるのには慣れていない零。
大混乱している様子。
こんな反応されてAまで照れてしまう。
A「…これでお相子。早く皆のとこ行こうよ」
零「……おまえ、……お前さぁ………」
A「っうわ、もうやめろよ。暑いし人いるし…」
だけど、このやり取りで妙なぎこちなさが消えた気がする。
言葉なんかなくても大丈夫だ。
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2年ぶり…?(震)
enst界隈自体にはこの2年ずっといました。
何か間違いを犯してしまったとか、自戒のためにROMってたとかではないんですけど…
見る専にまわっていました。
ふとこの作品に帰ってきたのは最近のことです。
読み返してみたら、当時にしてはイイモン書いてるなと。
読んでたら過去編だけでも完結させたくなって、こうして更新した次第です。
もう2年も前の作品だし、更新通知が行ってしまったら迷惑の方もいるかもしれないと思い、通知が行かない設定にさせて頂きました。
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む(プロフ) - 大好きです!!!!!!!!!!! (2022年6月2日 18時) (レス) @page41 id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
絆 - いえいえぇぇえええ!!全然大丈夫ですよぉおお!!こちらこそいつもありがとうございます!!新作の幼なじみくんのもあわせてこれからも楽しみにしてます!無理せずお体には気をつけて下さい更新頑張ってください!! (2020年7月17日 23時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
Sの人 - 初めてコメントするんですけど文才凄いっすね…頑張ってください〜 (2020年7月14日 21時) (レス) id: 35c2d7115f (このIDを非表示/違反報告)
おわん(プロフ) - 絆さん» わぁんすみません…(涙) はい!1ヶ月もずっと考えてたのでもう大方…!!そろそろ出したいです!!いつもコメントありがとうございます……(大号泣) (2020年7月7日 19時) (レス) id: 71e615e669 (このIDを非表示/違反報告)
絆 - 新しいのを考えていらしたんですね!!よかったです!!!!何かあったのかと!!!!無理せず更新頑張ってください!新しいのも楽しみに待ってます!!うるさくてすみません! (2020年7月6日 16時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おわん | 作成日時:2020年6月1日 11時